色んな動物が描かれていますね。

シャルル=ジョルジュ・デュフレーヌ(1876—1938)
『モロッコの市場』1920
【鑑賞の小ネタ】
・フランスの画家
・1910年に北アフリカ賞を受賞
・アルジェリアに滞在
・キュビスムの影響あり

赤の点線で囲まれた国がアルジェリアです。モロッコは隣の国ですね。フランスの「北アフリカ賞」とは、かつてフランスの芸術家や画家を対象に授与されていた賞のようです。受賞者には、アルジェリアの首都アルジェにある芸術家村での滞在・創作の機会を提供する制度でした。デュフレーヌは1910年に受賞し、1912年までアルジェに滞在したそうです。(※アルジェリアは1848年~1962年までフランスの一部)
「モロッコの市場」の制作年は1920年なので、アルジェ滞在中に描いた作品ではないようですね。異国情緒あふれるこの作品、フランスへ帰国後も北アフリカの影響を強く受けたことがよく分かります。
「モロッコの市場」にはどんな動物が描かれているのでしょう? ラクダ、馬、牛、羊、ロバ、人(フードをかぶっていますョ)も何人かいますね。たくさんの色を使って描かれていることもあり、とても賑やかな印象ですが、中央のヤシの木っぽい植物のおかげで、全体のバランスがとても良い仕上がりになっているのではないかと思います。
モロッコの市場ってこんな感じなのかなと思って筆者はこの絵を見ていたのですが、なんと、デュフレーヌは「モロッコを訪れたことはなく、想像で描いたものだと考えられる」と図録集に書かれていました! 想像だったんですね。驚きです。
「モロッコの市場」と同じ制作年の作品を探してみました。

なんとなく色合いが似てます。描かれているのは、デュフレーヌの近しい人でしょうか? 詳細は不明なのでなんともですが、1920年というと、第一次世界大戦(1914年~1918年)後です。そしてデュフレーヌは戦争に応召していました。戦争から帰ってきて、少し落ち着いた時期に描かれた作品たちなのかもしれませんね。
「モロッコの市場」を購入したのは大原孫三郎(買い付けは画家の児島虎次郎)です。そして、大原美術館洋画購入の第一号はアマン=ジャンの「髪」(過去記事、大原美術館:『髪』アマン=ジャン)なんですが、この「アマン=ジャンにより大原コレクションに加えられた」と図録集に書かれていました。アマン=ジャンが児島虎次郎にデュフレーヌを紹介したということでしょうか?
「モロッコの市場」は現在展示中ですのでぜひご覧ください(^-^)