お出かけ:岩屋(岡山県総社市の山)を歩く

岡山県総社市の鬼城山(きのじょうさん)の古代山城「鬼ノ城(きのじょう)」を聞いたことがあるでしょうか? 大和朝廷によって国の防衛のために築かれたとされていますが、歴史書には一切記されていません。謎めいた山城として有名で、昭和61年に国史跡指定、平成18年には「日本100名城」に選定されています。そして、あの温羅(うら:古代の鬼)伝説とも密接に関係している史跡なのでロマンあふれます✨ 山の頂上に立地しているので、遠くからでも確認できますョ。

今回歩いた山は「鬼ノ城」の隣りのエリア、「岩屋」です。鬼ノ城エリアの山道はかなり整備されていますが、岩屋エリアの方は自然な雰囲気の山道がほどよく残っているので、山を歩いたなーっと感じるのは岩屋エリアの方なのではないかと思っています。

山歩きの経験豊富な友人と一緒だったので、安心して周りをキョロキョロしながら歩くことが出来ました。感謝です。 鬼城山ビジターセンターの駐車場に車を置いて、そこから歩きました。

岩屋エリアには奇岩・巨岩が数多く見られ、とても興味深かったです。今回はその中の2つを紹介したいと思います。

まずは「汐差岩」です。

岩屋案内図
(※岩屋駐車場のトイレ前に設置されている箱の中にあります。)

岩が割れています❕

こうなってくると、大人気アニメ(マンガ)「鬼滅の刃」のワンシーン、主人公の竈門炭治郎(かまど たんじろう) が修行中に巨岩を刀で割るというあのシーンを思い出す人も多いのではないでしょうか?今日の「鬼滅の刃」ブームのためなのか、日本各地で割れた巨岩がSNSでアップされています。岩屋の「汐差岩」もぜひ仲間に入れてほしいものです(^-^) 
※岩屋エリアには、鬼城山の鬼ノ城が近いためか「鬼の○○岩」等、鬼絡みのものがいくつかあります。

汐差岩からの眺め

次に、汐差岩のすぐ側にある「方位岩」です。とても気になるネーミングです。方位が分かる岩なのでしょうか? 

巨岩の上に、特徴的な形をした岩が乗っています。

スマホのコンパス機能で、方位を調べてみましたが、きちっと方角を示しているというわけではありませんでした。筆者がよく解ってないだけなのかもしれませんが…。多分、巨岩の上に岩がポンと乗っているこの様子が、方位磁針(羅針盤)に似ているということなのかなと。

「鬼ノ城」の築城年は推定で7世紀後半頃ではないかと言われています。この辺りの奇岩・巨岩の名称もその頃から付けられていたとすると、方位磁針の形状も現在のものとは当然異なっているはずなので、ちょっと調べてみました。

出典:Wikipedia   復元された漢代の羅針盤

復元された漢代の羅針盤です。スプーンのようなものが乗っています。そして漢代からすでに羅針盤はあったようですね。前漢は紀元前206年~8年、後漢は25年~220年なので、何れにしても随分昔から四角い板状のもの(方位盤)の上にスプーン状の天然磁石が乗った羅針盤が存在していたということですよね。
ちょっと方位岩の形状に近付いたような気もするのですが…。

さらに調べると、3世紀頃から中国国内では、磁力を持った針を木片に埋め込んだ「指南魚(魚 の口の部分が南を向くようにつくられていて、文字通り、南を指す魚というものが使われていたようです。
魚! 形状がさらに近付いたと感じるのは筆者だけでしょうか?

「方位岩」は、前出の「岩屋案内図」には記されていませんが、「汐差岩」と並んで位置していますので必見です👍

「鬼ノ城」エリアだけでなく、「岩屋」エリアも色々見どころ満載ですので、少しずつ紹介したいと思います。