黄色と白色の野花がなんともかわいい。

ポール・セリュジエ(1864-1927)
『春の小川』1906-1917年頃
【鑑賞の小ネタ】
・ナビ派の中心的人物
・日本美術の影響を受ける
・感じた色を描く
作品名は『春の小川』です。春らしい色合い、かわいい野の花、まさに春って感じですよね。ところで、小川はどこに描かれているのでしょう?白色の花がゆるやかなカーブを描いているので、その辺りに小さな小さな川が流れているのでしょうか?でもちょっと無理があるような…。日本語の作品名は『春の小川』なんですが、英語表記では『Stream in Spring』となっています。「stream」の意味を調べると、確かに小川、水路、細流、(絶え間ない流体の)流れ、とありました。ただ、意味に広がりがあって、(人・物・出来事などの)連続、流れ、そして、(考え方や世間などの)傾向、動向、方向、というものもありました。
白い野花のカーブがまるで小川のようなので『春の小川』という作品名なのかなと思いましたが、きっと本物の小川があるのだと考え直しました。なぜなら、水色が見えないからといってそこに水が無いわけではないので。きっとチョロチョロとかわいい小川がどこかに流れているのだと思います(^.^) 筆者的には、白色の野花のカーブに沿って小川があるのではないかと。
絵画鑑賞の時、第一印象はとても大事だと筆者は思っています。パッと見た時、最初に感じたことです。「この絵好き」「この絵いまいち」「よく分からないけど色が好き」等々。どうしてそう感じたのかなと考えてみるとちょっとおもしろくなると思います。そして、絵を見たら作品名を知りたくなりますよね。あえて見ないで鑑賞するという人も中にはいます。筆者は作品名見る派なんですが、見る見ないについては意見が分かれるところです(ただし、作品名は画家が自ら付けた名と、後世の人が付けた名が混在しているので注意が必要)。自分が思っていたことと作品名のイメージがあまりにも違っていたり、予想外だったりすることもあるので、なかなか興味深いですョ。
今回の『春の小川』については、作品名を見たおかげで、小川はどこ?ってなって、ジロジロ隅々まで絵を見て思いを巡らした結果、描かれた風景の中にもっと入って行けたような気分になりました。少しおもしろさが増したわけです。これはラッキーなことで、得した気分になりますョ。絵を見るなら、おもしろい方か良い👍
同じころ描かれた森と小川の作品がこちら👇

『森の中の小川のある風景』1917
この絵の中の小川はしっかり判別できますね。
『春の小川』の緑色、とても落ち着くいい色だと筆者は思っています。セリュジエは実際の色というよりは、感じた色を描きます。似たような緑色を使った作品がこちら。

『戦没者の未亡人(La veuve de guerre)』1919
日本の伝統色の緑、鶯(ウグイス)色、苔色、松葉色、灰緑色って感じです。
セリュジエの使う色は、とても落ち着いた色が多いと思いますので、作品鑑賞の際には「色を楽しむ」というのでも良いかもしれませんね(^.^)