続・大原美術館:『鐘楼守』ルドン

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ルドンはフランスの象徴主義の先駆者です。象徴主義で忘れてはならないのが、ベルギー象徴派です。ベルギーの首都ブリュッセルで、1883年に芸術家グループ『レ・ヴァン(Les XX)(20人展)』が結成されました。雑誌を刊行したり、展覧会や講演会を開き、外国作家を招待するなど、その活動はとても活発なものでした。招待された外国作家の中に、ルドンもいました!

『レ・ヴァン』は10年に渡り毎年展覧会を開催しました。ルドンは1886年、1888年、1890年に参加しています。

1890年『レ・ヴァン』展覧会のポスター 

赤で囲みましたが、Odilon Redonの名前があるのが分かります。

ベルギーと言えば、運河のある古都ブルージュ(ブルッヘ)が有名です。ブルージュは中世の街並みが残る神秘的な都市なので、象徴派の人々にとっては心の故郷だったようです。そしてそして、「ブルージュの鐘楼」です。

出展:ブルージュ公式ホームページより
「ブルージュの鐘楼」

「ベルギーとフランスの鐘楼群」は世界遺産に登録されていて、「ブルージュの鐘楼」はその中の1つになっています。

ルドンは、オランダやベルギー方面へ何度か旅行に行っていることが分かっています。ルドンは象徴主義、ベルギー象徴派の活発な活動、ルドンはベルギーへ何度か訪れている、ベルギーのブルージュは象徴主義の心の故郷、ということから、『鐘楼守』の鐘楼は、「ブルージュの鐘楼」かもしれません。

アンテナを張って生活していると、あれ?と思うことが時々あります。気が付いたことがあったら、また紹介したいと思います。