この平面的な描き方と色合いが筆者は好きです。

ポール・セリュジエ(1864-1927)
『秋の森』1921
【鑑賞の小ネタ】
・ゴーギャンの影響を強く受ける
・「絵画のABC」を出版
・晩年はブルターニュ地方で生活
・抽象絵画の先駆者
セリュジエは、1888年の夏をフランスのブルターニュの芸術家村、ポン=タヴァンで過ごしました。この時、ポン=タヴァンにいたポール・ゴーギャンに指導を受けています。その後「ナビ派」と呼ばれる画家グループが結成されますが、1891年にゴーギャンがタヒチに移ると結束は緩みました。1892年にはセリュジエもポン=タヴァンへは行かず、ブルターニュのHuelgoat(ユエルゴア、ユエルゴート)で過ごしたそうです。
『秋の森』は1921年に制作されています。ユエルゴアのどこかの森を描いたのでしょうか?たくさん岩が見えますね。ゴツゴツしたものではなく、角がない丸い感じの岩です。後景の背の低い木々の中にもたくさん描かれていますね。
低木と岩が描かれた別の絵を見つけました👇

『Huelgoat(ユエルゴート)』2018
作品名は『Huelgoat』となっています。『秋の森』に色合いは違いますが感じが似ていると思います。『秋の森』もユエルゴアの森を描いた作品かもしれませんね。ユエルゴアの森について調べていると、「震える岩(ローガン岩)」という花崗岩の巨岩があるのが分かりました。最大137トンもあるそうですが、適切な場所に力を加えれば誰でも動かすことができるようですョ。なんだか神秘的です。
どうやら、ユエルゴアの森は岩が多いようです👇

『秋の森』はユエルゴアの森を描いたもので大丈夫ではないかと筆者は思います。
1908年にセリュジエは、ポール・ランソンとその妻マリー・フランス・ランソンと美術学校を創立しました。友人の画家たちも教師として加わり、多くの画家を育てました。そして、1921年、『秋の森』の制作年に、「絵画のABC(ABC de la peinture)」という色彩とその調和に関する理論書を出版しました。
ユエルゴアの絵をもう一点。

『ユエルゴアの茂み (Undergrowth at Huelgoat)』1905
ここでも、丸みを帯びた岩が描かれていますね。