名画の小ネタ:『モナ・リザ』レオナルド・ダ・ヴィンチ ~その1~

長年研究され続けている名画には、なかなか解明できない謎があったり、びっくりするような新たな発見があったりするものです。その謎や発見が、芸術ファンの楽しみの1つになっていることは間違いなしです。そこで、筆者自身がこれまでに目や耳にした様々な情報の中から、特に印象に残った小ネタを少しずつ紹介して行きたいと思います。

ということで、まずは、誰もが知る名画『モナ・リザ』です。

ルーヴル美術館
レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519)
『モナ・リザ』1503-1519年頃

どの方向から見ても目が合う。
これは有名な話だと思います。筆者は穏やかな目だと思うのですが、ちょっと怖いと感じる方も多いようですね。

眉毛やまつ毛がない。
眉毛がないからちょっと不思議(神秘的)な雰囲気なのかもしれませんね。当時の上流階級の婦人たちは、眉毛やまつ毛が見苦しいとして抜いていたということなので、この状態がむしろ普通であるという研究者もいるようです。 そんな中、2007年に大発見がありました。フランス人技術者パスカル・コットによる超高解像度カメラ調査の結果、眉毛とまつ毛が描かれていた痕跡があると発表されたのです! なんと眉毛とまつ毛は描かれていたんですね。過度の洗浄修復等により、剥がれ落ちてしまったのではないかとされています。 ただ、眉毛やまつ毛があると、モナ・リザのこの雰囲気は出ませんよね。これはこれで結果オーライといったところでしょうか?

薄いベールと特徴的な衣装を身につけている。
とても薄いベールなんですが見えるでしょうか?そして全体的にふくよかなモナ・リザ。お腹の前で腕を交差させているため、腹部にふくらみを感じると共に、守っているようにも見えます。2004年の科学調査で、グアルネッロを着ていることがわかったということです。グアルネッロとは、ルネサンス期イタリアで妊娠中または出産直後の女性が着ていたドレスのことです。となると、モナ・リザは妊娠していたんでしょうか?どうなんでしょうね。
ちなみに、ルネサンス初期の画家サンドロ・ボッティチェリも、グアルネッロに似たドレスを身につけた女性を描いています👇

ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館
サンドロ・ボッティチェリ(1445-1510)
『スメラルダ・ブランディーニの肖像』1470-1475

確かに似た感じのドレスですね。そしてこの女性は、ふくらみのあるお腹の上にそっと左手を置いている様子から、妊娠していることがよく分かります。

瞳に文字が隠されている。
肉眼で確認することは出来ませんが、黒い絵の具で描かれているそうですョ。超高解像度の写真を分析すると、右目に「LV」、左目には「B」または「S」、「CE」ともとれる文字が見られるようです。 右目の「LV」 は、ダ・ヴィンチのイニシャルだろうということのようですが、左目の方は、解明されていません。モデルの正体を示すヒントではないかとされています。リアルなダ・ヴィンチ コードですよね。そしてモナ・リザのモデルについては、フィレンツェの商人の妻リザ・デル・ジョコンドだとする説が現在もっとも有力ですが、まだまだ議論が続いています。

背景の橋に「72」または「L2」と書かれている。
これもリアルな ダ・ヴィンチ コード の1つです。背景向かって右側にアーチ橋があるのが分かるでしょうか?モナ・リザの左肩辺りです。 「72」または「L2」 、肉眼ではやはり見えないようです。 今後も、その時代の最新技術によって、新たに何か見つかるかもしてません。ロマンですね。