美観地区の『前神樋門』

美観地区の『高砂橋』(投稿記事、美観地区の『高砂橋』)の上から倉敷川周辺を眺めている時に気が付きました。

『前神樋門』と『前神橋』

写真👆奥に写っている欄干が特徴的な橋は『前神橋』(過去記事、美観地区の『前神橋』)です。手前の樋門(ひもん)の造形が見事だなぁと思いながら眺めていた時のことです。(※この樋門は美観地区を流れる倉敷川の水位を調節しています。)

『前神樋門』

車のハンドルみたいなのが2つあるのが分かるでしょうか? どうも普通の形ではない感じがしたので近くに寄って見てみることにしました。立派な石の階段がちゃんとありましたので。

なんとの彫刻が施されているではありませんか! 『今橋』(過去記事、美観地区の『今橋』)や『前神橋』(過去記事、美観地区の『前神橋』)に、龍がデザインされているのは過去記事で紹介した通りなのですが、ここにも龍がいたんですね✨

「前神樋門」「竣工 昭和六十三年三月」となっています。比較的新しいものなのに、コンクリートではなく石造りで、しかもハンドル部分には龍の彫刻が施されているんです。きっと美観地区に馴染むよう設計されたものなんでしょうね。違和感なくバッチリ溶け込んでいました👍

大事に保存、管理されている倉敷美観地区です(^-^)

大原美術館:芝生の中の彫刻(分館前)

大原美術館の分館前には、手入れの行き届いた芝生が広がっています。今は冬なのでこの色ですが、夏には綺麗な緑を一面に見ることができます。

2022年1月撮影 大原美術館分館前

分館はコロナの影響で現在も休館中です。

芝生の中にはいくつかの彫刻が野外展示されています。敷地の東と西にある門が閉まるまでは、自由に鑑賞することができます。

まずはこちら。

大原美術館
ヘンリー・ムーア(1898-1986)
『横たわる母と子』1975-76年
ブロンズ

ヘンリー・ムーアはイギリスの彫刻家です。「母と子」をテーマに多くの作品を制作しています。「横たわる像」もムーアのテーマだったようです。古代彫刻に関心を示し、中でもメキシコのマヤ文明の遺跡から出土した「チャック・モール」から大きな影響を受けたようです。チャック・モールとは、人(神?)が横たわっている人物像のことです。

         

大原美術館
イサム・ノグチ(1904-1988)
『山つくり』1982

イサム・ノグチの父は詩人の野口米次郎、母はアメリカ人作家で教師のレオニー・ギルモアです。父親との関係は複雑で、イサムは愛に飢えていました。
コロンビア大学の医学部に進学しましが、あの野口英世から野口米次郎は素晴らしい作家であることを聞かされ、すぐ大学を退学し、レオナルド・ダ・ヴィンチ美術学校に入学したそうです。父親に対する憧れもあったようです。
また、美術の教科書にも載っているフリーダ・カーロ(1907年-1954年、メキシコの画家)と大恋愛をし、1951年には女優の山口淑子(李香蘭)と結婚しています。5年ほどで離婚していますが、世界各地を旅したりと国際色豊かなものだったようです。
それにしてもイサム・ノグチのまわりはビッグネームだらけですよね。

                      

大原美術館
津久井利彰(1935- )
『樹に染まり』1994

ステンレスで制作されています。設置当時はここまで植物が茂っていなかったと思います。月日が流れ、いい感じになっていますよね。色々調べていると『樹に染まり96』という作品が東京都の港区乃木公園にあるのを見つけました。同じくステンレス製で、ジャングルジムのような形状の作品の上に、蔓状の植物が乗っています。
ステンレスと植物のコラボはどうでしょう? 一見、鉄と植物ということでミスマッチのような気がしないでもなかったのですが、見ているとだんだんしっくりくるのが不思議です。

                   

大原美術館
速水史郎(1927― )
『道標』1987、1999年
御影石

速水史郎は香川県多度津町出身の彫刻家・造形作家です。『道標(みちしるべ)』という作品なんですが、よく見ると、本館・工芸館・東洋館と分館の方向を示す、まさに道標となっているのが分かります。芝生内の丸みを帯びた黒い彫刻も速水史郎の作品です。筆者は、瀬戸内海に浮かぶ島のようだなと思いました。ちなみに、香川県の高松市中央公園には『SANUKI』という形状のよく似た作品が野外展示されています。

        

大原美術館
木村賢太郎(1928― )
『祈り』1986
御影石

頭(こうべ)を垂れて、合掌しているのが分かるでしょうか? サイズも比較的小さめということもあり、筆者にはとてもかわいく見えました。作品『祈り』は、素材やサイズなどが違うものも含めると、他にも結構あるようです。
東京国立近代美術館には、『祈り6』『祈り7』という大原美術館の『祈り』ととてもよく似た作品が所蔵されています。制作年がどちらも1993年となっているので、大原美術館の『祈り』の方が早い時期に制作されていますね。

   

敷地の門が開いている時は自由に鑑賞しても大丈夫なので、ぜひ。

   

美観地区:植物の冬姿(倉敷川沿い)②

過去記事、美観地区:植物の冬姿(倉敷川沿い)①で、サザンカなのかツバキなのかちょっと不安だったこちらの木👇

サザンカと紹介しましたが、やはり、サザンカでした👍
証拠写真がこちら。

少し日が過ぎましたので、結構花びらが散っていました。花がボトッと落ちるのがツバキです。そして、

葉っぱの際がギザギザしているのが分かるでしょうか?比べたらよく分かるのですが、ツバキはここまでギザギザしていません。(過去記事、お出かけ:ときわ公園(山口県宇部市)② ~支え合う木~参照ください。)

そして、過去に何度か登場している植物の現在がこちら👇

2022年1月撮影 ツメレンゲ

準絶滅危惧種のツメレンゲ(過去記事、2020年元日のツメレンゲ)です。今年も元気にニョキニョキです。屋根の上に準絶滅危惧種のツメレンゲが普通に育っていることがなんだか嬉しい筆者です(^-^)

倉敷川で見かけた鳥たち

美観地区から少し南に下った辺りで見かけた鳥たちです。

まずはこの鳥👇

2022年1月上旬撮影 ダイサギ

あまりの大きさにツルかと思いました。もちろんツルではありませんが、とにかく大きなシラサギでした。シラサギには、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、アマサギがいるようです。 よく見かけるのはコサギではないでしょうか?コサギは、夏になると頭から冠毛を生やし、繁殖期になると仲間同士で集まり「サギ山」を作るという習性があります。うわぁシラサギがいっぱいいるーっと思ったら大抵コサギ群団です。

名前の通りコサギは、シラサギの中では小ぶりな方なので、すぐに見分けが付くと思うのですが、ダイサギとチュウサギを見分けるのはなかなか難しい。冬の口ばしの色はどちらも黄色ですし。(※コサギの口ばしは黒色です。)ちなみにチュウサギはこちら。

出典:Wikipedia  チュウサギ

よく見ると、チュウサギの口ばしの先端部分は黒色になっています。そして、どちらもシュっとした顔をしていますよね。違いは何でしょう? よく似た頭部ですが、頭(おでこ?)のふくらみがあまりなく、より長めにシュっとしているのがダイサギということです。 筆者が撮影したシラサギを見てみると、口ばしは全部黄色に見えます。そして、おでこのふくらみはほとんどなく、頭から口ばしの先までかなりシューっとしているように見えます。ということで、筆者が撮影した大きなシラサギはダイサギであると結論付けました。

次は黒色の鳥です👇

水辺にいる黒色の鳥ということで、最初はカワウかなと思いました。でたカワウ!ぐらいなとっつきです。ところがじっと見ていたら、カワウのぎらつきがあまりないことに気が付きました。美観地区の白鳥をイラつかせるあのカワウ(過去記事、美観地区:倉敷川の白鳥とカワウ)のそれがないんです。改めて見てみると、フォルムも丸っこくてカモみたいでなんだか可愛い。

この黒い鳥は、オオバンという鳥でした。ツル目クイナ科なので、ツルの遠い親戚って感じです。カモの仲間じゃないんですね。全国的に増加傾向にある野鳥なんだそうです。カモなど他の水鳥たちに混じって見られることが多いということでした。確かにすぐそばでカモたちが👇

頭をクルっと羽の上に乗せて寝ていました(^-^)

美観地区:植物の冬姿(倉敷川沿い)①

一際目立っていました。満開です!

2022年1月上旬撮影 サザンカ

サザンカ?ツバキ?と、少し迷いましたが、サザンカで大丈夫だと思います。花が筒状ではなく広がって咲いていたし、花びらがいくつか落ちていたので。ツバキだと花ごとボトッと落ちるはず。きっとサザンカです👍

倉敷川沿いにはセンダンが多く植えられています。白くなった実が丸い花のようで、ちょっとかわいい。

2022年1月上旬撮影 センダン

中橋(過去記事:美観地区の『中橋』」と写真向かって左側に「倉敷考古館」が写っています。このセンダンの木の下は、人力車乗り場の1つになっています。

気合の入った刈り込みを見つけました!このネギ坊主のような植物は何でしょう?倉敷川沿いにいくつもあります👇

これは、です。多分、白い萩だったような…。今まであまり意識して見てなかったのですが、ここまで刈り込んでいたんですね。ちょっと衝撃でした。

刈り込みに感心して歩いていたら、またまた凄い刈り込みに遭遇。もはやオブジェです👇

2022年1月上旬撮影 ナンキンハゼ

これは紅葉が見事だったナンキンハゼ(過去記事、美観地区:まだまだ紅葉中)です。ちなみに紅葉中のナンキンハゼがこちら。

枝も伸び、モリモリと紅葉していますよね。冬の刈り込みあってのそれだと思います。植物の冬の過ごし方がとても大事だということがよく分かりました(^-^)