Case 23; SPNs: 胸部CT検査で比較的高頻度に指摘される磨りガラス陰影を主体とする単結節病変(SPN: GGNとSSN)に関して; TSCT(またはHRCT)で積極的に悪性腫瘍を疑う画像所見と良性腫瘍を疑う所見、及びPFNと肺内リンパ節(iPLN)、早期肺癌との関連についてと4ケースレポート。

孤立性肺結節(SPN: Solitary Pulmonary Nodule)

SPNは含気の十分な肺野に囲まれたφ3cm以下の円形または非対称形の辺縁境界の比較的明瞭な単発結節性病変と定義されています。SPNの頻度は癌患者の10〜70%に、喫煙者の8〜51%に認められると報告されています。また無症候症例を対象とした全身CTスクリーニングでは15%ほどに、胸部レントゲン検診の0.09〜7%に認められるとの報告があります。

①SPNsの分類と定義

SPNsは、Solid(充実性)とSubsolid(適切な和訳不明)に分類される。すりガラス陰影(Ground-Glass Opacity(GGO) )は薄層CT(thin-section CT: TSCT)上、肺血管や気管支辺縁に認められる 淡い濃度陰影(a hazy increased opacity)で、気管支や血管周囲が透見できる状態を示す。含気肺の浸出物による部分的な置換や間質の肥厚、一部の肺胞の虚脱、毛細血管血流の増加など事象によりGGOは生じるが、 このGGOにより形成される結節陰影は肺野限局性すりガラス結節(Ground-Glass (Opacity) Nodule (GGN))と定義されている。SubSolid Nodule(SSN)は、pure GGN(すりガラス陰影のみで構成される結節)及びpart-solid(充実部(軟部陰影)とすりガラス陰影の両方を伴う不均一な結節)に分類される。SSNはCTによる肺癌検診では、結節性病変の6.3%〜38%を占めるとの報告がある。SSNは一過性に存在し消失うる場合があり、このような症例は非特異的感染症やなんらかの炎症反応ににより引き起こされたと考えられている。アスペルギルス感染症や好酸球増多症で認められる事がある。一方消失しないSSNの最も考えられうる原因は肺腺癌である。肺腺癌は全肺癌の39%を占めるが、1995年に野口らが報告した小型肺腺癌の組織分類はHRCTによる分類によく対応している。

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