Basic Castella Sponge Cake; Sponge Cakeを作る(その9): 牛乳パックで作成した焼型を用いて、自宅のオーブンで基本のカステラを焼いてみた。

基本のカステラ

カステラは、下図上段の右に位置するhigh ratio cakeの究極バージョンになります。使用する卵黄/卵白の個数比が逆転していますので濃厚カステラを作成しようとするほど混ぜ合わせが困難になってきます。適度の保湿は焼きあがったカステラの口どけ感を左右する決定的因子となりますので必然的に強力粉主体のレシピとなります。

このサイトでの種々のケーキの分類:: 横軸は使用する卵黄(ey)/卵白(ew)の個数比(Ney/New)、縦軸は使用する砂糖(グラニュー糖換算)/小麦粉の重量比(w/w)

自宅のオーブンでカステラを焼くにはまず適当な焼型を考える必要があります。市販の木製のカステラ専用の焼き型を使用するのもよいですが大きさなどが限定される上にいろいろ準備が煩雑です。要はオーブンクッキングの要となるアルミホイルをどういう風に用いて熱の伝導調整を行うかが大体つかめればそこら辺にあるものを利用して焼成できることになります。アルミニウムの熱伝導率は237 W/(m・K)と銅に次いで高値です。したがって熱伝導率の極めて低い紙(≒0.06)を即席の断熱壁としてアルミホイルで囲い込むことにによって専用焼型同様の等温膨張過程を再現します。重要なのは牛乳パックの内面のアルミホイルの巻き数ですが、私は側面1重、底面3重に敷いてザラメの部分の底面とスポンジケーキの部分の熱伝導を調整しています(使用している天板の熱伝導率が多少影響するとは思います)。とりあえずのところこの重層比でそこそこのカステラが仕上がっているように感じています。この構成によりオーブンクッキングにおける加熱形態が、空気からの対流伝熱により遮蔽を受けていない表面方向から生じる形でリードされるように誘導します。アルミホイルの内側には表面のシリコーン加工されたクッキングシートで作成した型をもう一つ置きます。これはシリコーン(熱伝導率≒1.3)によるアルミホイルへのカステラの焦げ付きを防止するためです。

牛乳パック1Lサイズ2個を用いて作成したカステラの焼型:内側面はアルミホイル1層、内底面はアルミホイル3層、さらに内側にクッキングシートで作成したペーパー型を設置します。

上図は1Lの牛乳パックを2つ重ねて断熱壁を作成しています(V=7cm x 7cm x 33cm)。これが我が家の天板に乗せられる最大サイズになります。上面以外が即席の断熱面となります。アルミホイルは作成が簡単になるように幅が25cmのものを使用します。理論的には外面をアルミホイルで囲う分は節約してもよいと考えますが作成を簡易化するために全体に巻き付けます。まず属面に図のようにアルミホイルを1層巻いてホチキスで止めます。次に110 cm x 25cmのサイズにアルミホイルをはさみで切断し2、続いて110 cm x 12.5cmの長方形2つに2分します。両端を織り込んで幅を7cm弱に整えます。これを内側底面からかぶせ両端の正方形面もカバーします。これをもう1層して位置が移動しないようにホチキスで止めます。
次に、内側に設置するクッキングシート製の型を作ります。幅30cmのシートを使用して、6.8cm x 11.6cm x 32.8cmの直方体の型を作成します。これもホチキスで止めて作成します。牛乳パック型の内側に設置して準備完了です。

Ingredients: 材料と配合組成

使用した材料は、レモンジュース(サンキスト100%レモン、サンキスト)、メープル風味ケーキシロップ(ケーキシロップ、カンピー)、牛乳(北海道牛乳、トップバリュ)、以下はすべていつもの材料です。

Castella Sponge CakeAmount for 7cm x 33cm x 7cm pan
Crystal Sugar (medium size)25 gram
Egg Yolk (L)5 ea. (100 gram)
Superfine Sugar65 gram
Cake Syrup45 gram
Whole Milk (hot)45 gram
Egg White (L)4 ea. (160 gram)
Lemon Juice4 gram
Superfine Sugar 120 gram
Bread Flour150 gram (ratio S/F ≒1.64 )
Vanilla Oila few drops
Baking Trick170C x 10 min plus 160C x 50 minutes
Basic Castella Sponge Cake : The ratio sugar / flour is estimated to be about 1.64 in terms of granulated sugar.

Instructions: 調理法

①大型ボウルに、卵黄5個分と上白糖65グラムを入れBain-marieで混合します。砂糖が解けたら湯煎から外して室温でしばらく放置しておきます。
②メタルボウルに卵白4個分を入れ、レモンジュース4グラム加えて電動ホイッパーで攪拌します。
③加える砂糖の量が多いですので4回にに分けてsoft peak手前から加えていきます。最終的にはstiff peakとfirm peakの中間位に仕上げます。
④go back methodに従い攪拌した卵黄とメレンゲをスパチュラで混ぜます。

Making castella sponge cake butter : ① Cast 5 egg yolks and 65 gram superfine sugar into a large bowl to mix well with a balloon whisk over simmering water in a saucepan (Bain-marie). The sugar resolved, leave it at room temperature for a while. ② Pour 4 egg whites and 4 gram lemon juice into a metal bowl. Electric-whisk until lightly whipped. ③ Gradually adding 120 gram superfine sugar in 4 batches, continue electric-whisking until firm peak form near stiff peak form. ④ According to go-back method, fold the meringue and the egg yolk mixture until well incorporated.

⑤ケーキシロップ45グラムと牛乳45グラムを混ぜて湯煎で温めます。
⑥強力粉150グラムを卵黄/メレンゲ混合液に篩いスパチュラで丁寧に混ぜます。
⑦ケーキシロップ牛乳液を最後に混ぜます。
⑧カステラの焼き型にザラメ糖(中)を25グラム適当に敷きます。
⑨生地を注ぎ、オーブンで170℃で10分、その後160℃で50分焼成します。

Making batter and oven-baking: ⑤ Pour 45 gram maple-tasted cake syrup and 45 gram whole milk into a 250 ml measuring cup. Warm it in a hot water. ⑥ Sift 150 gram bread flour over the egg yolk-meringue mixture and fold it gently gradually adding the hot milk-syrup until well incorporated. ⑦ Sprinkle 25 gram medium size crystal sugar into the cooking paper mold. ⑧ Pour the batter and flip it down a few times to remove air bubbles. ⑨ Oven bake at 170C for 10 minutes and add further baking at 160C for about 50 minutes. Do not over-bake.

水分が蒸発して生地がスポンジケーキの様にならないように控えめの焙焼時間の決定が必要です。焼き加減は竹串で刺してみて微妙に表面が湿る程度が目安です(生焼けではだめですのできっちり焙焼は行います)。その後も水分を蒸発させないことが秘訣です。天板ごと取り出して濡れタオルの上において冷まします。アルミホイルはすぐに温度が下がりますので、内側のクッキングシートに触れることが出来るくらいになったらクッキングシートをもってカステラをアルミホイルの焼型から抜きます。クーリングラックにのせて触っても火傷しない程度まで温度が下がるのを待ちます。温度が下がったら紙型を剥がさずにすぐにラップでぐるぐる巻きにして蒸発を防ぐとともに冷蔵庫に半日ほど入れてお冷やします。これで口溶け感がグーッとよくなります。

一般に食材(炭水化物、タンパク質など)に含まれる成分では水の熱伝導率がとびぬけて高く(0.600 W/(m・K))、そのため焙焼時間は水の含有量に左右されると言えます。カステラは”如何に水分を保持した状態でしっとり焼き上げるか”が焼成の基本テクニック。最近は電子レンジ調理(microwave cooking)も流行っている様ですのでこれを用いてうまく焼き時間と熱量の設定条件を決めることができれば家庭でも大量に焼き上げることが可能かもしれませんね。

Strong-tasted Sachertorte ; Sponge Cakeを作る(その8) : カカオ85%ブラックチョコレートを用いて濃厚テイストのザッハトルテ( Hotel Sacher ver.)を作ってみた。

ザッハトルテ

バレンタインデーも近いですので、普段あまり手を出さないチョコレートスポンジケーキの王道”ザッハトルテ”を作ってみました。”Modern French Pastry”には、”チョコレートが苦手だという者は、単に素敵なチョコレートに巡り合っていないだけだ”とある。ならばということで、”究極のストロングテイストの”大人味チョコレートケーキを”というコンセプトでホテルザッハー風のザッハトルテを作ってみました。

Ingredients: 材料と配合組成

使用した材料は、苺(さぬきひめ:香川県産)、レモンジュース(100%レモン:サンキスト)、加塩バター(よつ葉バター:よつ葉乳業)、ダークチョコレート(ひとくちカカオ85%ブラックチョコレート:トップバリュー)、ココアパウダー(ピュアココア:VANHOUHTEN)でその他はいつもの材料です。

アプリコットジャムを使用するのがホテルザッハーのオリジナルレシピですが、今回はイチゴジャムを使ってみました。カカオのストロングテイストを満喫できる様にしました。

Strawberry JamAmount
Fresh strawberry 280 gram (2 pack)
Superfine Sugar105 gram
Lemon Juice6 gram
Strawberry Jam : When using granulated sugar, prepare a half volume (weight) of strawberries.
Sacher Chocolate Sponge CakeAmount for φ18cm cake pan
Salted butter210 gram
Powdered Superfine sugar56 gram
Egg Yolk (M)8 ea.
Dark Chocolate210 gram
Cake Flour125 gram
Bread Flour (Strong Flour)60 gram
Pure Cocoa Powder25 gram
Egg White8 ea.
Powdered Superfine Sugar56 gram
White Wine Vinegar3 gram
Vanilla Oil a few drops
Baking Trick170C x 40 minutes plus 180C x 10 minutes
Sacher Sponge Cake : The amount (weight) of salted butter equals to that of dark chocolate, to that of total volume of flour ( cake flour, bread flour and cacao powder).

チョコレートグレーズは、丁度ひとくちカカオ85%ブラックチョコレートを3パックを使い切る量で作成したためギリギリ1回分のグレーズが可能な量になっています。流動性に乏しいため1回行ける印象ですが、コーティングをきれいに仕上げることを考えるとチョコレートの量を200グラムに増量して生クリームを混ぜでグラサージュにした方がいいかもしれません。

Chocolate GlazeAmount
Dark Chocolate165 gram
Powdered Superfine Sugar125 gram
Water75 gram
Chocolate Glaze : The volume of this recipe is just only one batch for glazing. I think it better to use 200 gram dark chocolate and adjust each amount in proportion to it respectively.

Instructions: 調理法

<1>ストロベリージャムの作成

ザッハートルテのスポンジケーキにはアプリコットジャムを挟むのが常道ですが、今回はストロングテイストな大人味をコンセプトに仕上げていますのでカカオの強さを十分堪能できるよう即席のストロベリージャムを作成しました。
①シチュー鍋にイチゴを280グラム(2パック分)入れ、上白糖を105グラム加えます。
②レモンジュースを6グラム加え、しばらく室温で放置、浸透圧でイチゴから果汁がしみだして来るまで待ちます。
③木べらでイチゴを適当につぶして、木べらで混ぜながら中火で加熱して煮ていきます。どんどんイチゴが柔らかくなってきます。ハンディーブレンダーできれいにクラッシュできるレベルの柔らかさが目標です。
④沸騰したら一度500mLの耐熱カップに移し、ハンディーブレンダーでピューレにします。これを行うことで煮込み時間を短縮できますのでペクチンを使用ぜすグレーズ用のジャムを作成できます。
⑤シチュー鍋に戻し中火で焦がさないように木べらで混ぜながら濃縮します。木べらを引いてみてなべ底が瞬間的に見える程度の粘度で完成です。これ以上濃縮すると苺ジャムらしくなってしまいますので注意が必要です。
⑥使用時まで冷蔵庫で冷やしておきます。

Preparing the strawberry jam for Sacher glaze: ① Place 280 gram strawberries and 105 gram superfine sugar, 6 gram lemon juice in a saucepan. Leave it at room temperature until it gets somewhat juicy. ② Crush the strawberries roughly with a wooden spoon. ③ Simmer it over the medium heat to bring it to a boil. ④ Transfer the strawberry mixture into a 500 mL measuring cup. Electric-blend until it gets in to puree. ⑤ Get the puree back to the saucepan. Simmer it over medium-low heat with stirring continuously with the wooden spoon and concentrate until you can see the bottom of the saucepan for a second when you stir the jam.

<2>ザッハースポンジケーキの作成

作成前に、φ18cmスプリングフォームケーキ型に市販のクッキングシートを貼り付けます。今回使用するバッターは非常に硬くて粘性が高いうえにケーキ型のほぼ上端まで入る分量になっていますので側面に貼るシートの高さは8cm位必要ですので注意が必要です(スフレチーズケーキの際と同様です)。オーブンを170℃で予熱しておきます。
また生地をメレンゲと混ぜるのが非常に困難ですのでメレンゲはsoft peakに仕上げます。soft peakメレンゲ作成のためあらかじめ粉砕上白糖を作成します。
ミキサーカップに上白糖を入れてミキシングします。
②パウダー状になったら乾燥したカップに詰めます、上白糖はすぐに水分を吸収しますので粉砕上白糖は毎回使用直前に作成します。
大ボウルにバター210グラムをキューブ状にカットして入れます。
電動ホイッパーである程度クリーム状にします。粉砕上白糖を56グラムくわえて完全にバタークリームになるまで混ぜます。
⑤卵を卵黄と卵白に分けます。卵白は使用時まで冷蔵庫に入れておきます。卵黄をバタークリームに1個加えて電動ホイッパーで完全に混ざ込みます。この操作を8回繰り返してきれいに乳化した卵黄クリームを作成します。
⑤ダークチョコレート210グラムを耐熱ボウル(中)に入れて溶かします。方法はBain-marie(または電子レンジで約30秒)を用います。いずれしても85%ダークチョコレートは非常に油脂が少ないですので粘度が高くスパチュラで混ぜて均一にするのに少し難渋しました。全部解けきったら湯煎から外して少し冷まします。
⑥粘度が極めて高いチョコレート液になりますのでスパチュラで混ぜていて少し粘度が下がり始めたらすぐに卵黄クリームに投入して電動ホイッパで急いで混ぜ込みます。スパチュラでホールドしてみて均一に乳化できていることを確認します。

Making Sacher chocolate sponge cake : In advance, prepare powdered superfine sugar to electric-mix typical superfine sugar into fine powder. Line parchment paper on the bottom and the side of φ18 cm cake pan. Preheat the oven up to 170C. ① Dump 210 gram salted butter in a large bowl and electric-whisk roughly. ② Add 56 gram powdered superfine sugar and continue to electric-whisk until it gets creamy and well incorporated. ③ Separate egg yolks from egg white. Place 1 egg yolk into the butter cream to electric-whisk until well incorporated. Repeat that procedure 8 times until all egg yolks are exhausted. Do not mix all at one time. ④ Dump 210 gram dark chocolate into a middle heat-durable bowl. Melt the chocolate over simmering water in a saucepan (Bain-marie). ⑤ When the fluid chocolate gets a little thick, pour it into the egg yolk-butter mixture to electric-whisk until well incorporated.


⑦メタルボウルに卵白8個分を入れ3グラムの白ワインビネガーを加えて電動ホイッパーで混ぜます。
⑧若干soft peak気味になったところで粉砕上白糖56グラムを2回に分けて投入し、電動ミキサーで攪拌してsoft peakメレンゲに仕上げます。メレンゲの硬度をこれ以上上げると粉類との混合が困難になりますので注意が必要です。
⑨go back methodに従いメレンゲを少量チョコ卵黄クリームに投入しスパチュラで丁寧に混ぜ合わせます。これをメレンゲボウルにもどします。丁寧にdown to up foldで均等になるよう混ぜ合わせます。この時香りの調整にバニラオイルを数滴滴下しておきます。
⑩薄力粉125グラム、強力粉60グラム、純ココアパウダー25グラムを一度別容器に篩い、フォークで均等になるように混ぜます。塊を極力減らすためにこれをチョコレートメレンゲの上から篩います。
スパチュラで丁寧にcenter to margin & down to up foldしていきます。こんなものを本当に混ぜることが出きるのかと思える粘度ですが、丁寧に混ぜるとheavy volumeの超粘調バッターが完成します。
⑫用意しておいたケーキ型に生地を流し込み適度に表面を整えます。この粘度では内部大きな気泡を追い出すのは困難ですが何回かトントンと机の上にケーキ型を落として気泡を追い出しておきます。170℃で40分前後焼灼したあと、竹くしで中心まで焼成できたかどうか確認(予想通り不十分です)の後、180℃で焼成10分程追加して仕上げます。
⑬クーリングラックにおいて室温で冷めるのを待ちます。

Making soft peak meringue and batching : ⑥ Place 8 egg whites and 3 gram white wine vinegar into a metal bowl. Electric-whisk roughly at low speed until it turned white and fluffy. ⑦ Gradually adding 56 gram sugar in 2 batches, electric-whisk until the soft peak form. Do not over-whisk. ⑧ According to “go back method”, mix the soft peak meringue and chocolate dough with folding it gently with a spatula. Give it a few drops of vanilla oil on folding. ⑨ Sift 125 gram cake flour, 60 gram bread flour and 25 gram cocoa powder in a large cup to stir it well with a fork. Then sieve it over the dough and fold it gently until well incorporated. Although the butter is too hard to fold well, do not surrender to intimidation. ⑩ Pour the batter in to the cake pan. Oven bake at 170C for 40 minutes and additionally at 180C for about 10 minutes. After that, leave it on a cooling rack at room temperature.

<3>チョコレートグレーズの作成

今回のチョコレートグレーズはすぐに固まってしまうほど粘調ですので先にアッセンブリングを済ませてから最後に作成します。
①小型の計量鍋(またはシチュー鍋)に水75グラムと粉砕上白糖125グラムを入れて中火でボイルさせます。ボイルしたら火を止めます。
②80℃位に下がったところで、ダークチョコレート165グラムを全部投入しフラワーホイッパーで混ぜます。
③解けて均一混ざったら完成です。この時温度は69℃でした。
この後、通常はテンパーリングを行い、融点の30℃付近になったところでグレージングするのですが、今回のチョコレートでは流動性が低すぎて60℃を下回るとかなり流れが悪くなるようなのでスパチュラで流動性が悪くなったと感じたところでグレージングしていますので何℃でグレージングしたかは分かりません。

Making Chocolate Glaze : ① Pour 75 gram water and 125 gram powdered superfine sugar in a saucepan over medium-high heat. ② When it comes to a boil, turn off the burner. Once the temperature has dropped down to 80C, dump 165 gram dark chocolate into it. Stir well with a balloon whipper.

<4>アッセンブリング

スポンジケーキ最下面のテフロンプレートは最後に外すようにします。これは中心部へ熱の伝わりが悪いとあらかじめ想定される生地を焼くときの約束事項で、側面モールド解除後に生焼けが判明した時、再度焼成を追加することで成功に持っていくためです。
①スポンジケーキの上面をカットして水平にします。このとき中心部まで熱が伝わっているか目視でも確認します(もし中心部の焼きが甘い場合、このままもしくは、再度モールドを装着してオーブンで追加焼成します。大部分の場合、プラス10℃で10分位焼成すれば十分です)。
②1/2の高さでカットしてスポンジケーキを2分します。ここでも問題なければひっくり返して下面のプレートとクッキングシートを剥がします。
③前もって作成したグレーズ用のジャムを下段のケーキの表面に十分塗ります。
④残りのカットした対になるスポンジケーキを乗せます。表面にジャムを塗ります。ここで一旦冷蔵庫に入れて表面のジャムを固めておきます。
⑤一番下に大きな平皿、その上にクーリングラック、その上にスポンジケーキを乗せます。
⑤出来上がったチョコレートグレーズを最上段からかけます。パレットナイフで表面を平らにします。この時長い大きなパレットナイフがあれば一回で表面を平らにできますのできれいな仕上がりにあります(私は持ち合わせていませんので現在使用してしているもので妥協です)。
⑥平皿に落ちたグレーズは2度目のグレーズに使用できますし、コップに集めて冷蔵庫で固めて利用することもできます。ケーキを3時間ほど冷蔵庫で冷やせば完成です。

Assembling : ① Cut the sponge cake horizontally into 2 parts of the same volume and remove irregular surface. ② Paste the strawberry jam sufficiently on the surface of the lower layered sponge cake. Put the another sponge cake on it. Similarly pour the jam on top. Lastly glaze the chocolate. ③ Chill it in a frige for about 3 hours.

強烈にカカオが効いていますので、生クリームを添えました。

編集後記
大部分のダークチョコレート(スイート)の融点は30℃前後にありますので溶解温度は50℃くらいでゆっくり行うのが定石です。今回の85%カカオチョコレートは融点がどうやら40℃を超えているような印象でした(Bian-marieで溶解した際の感触です)。通常はドロドロに解けて再び硬くなる30℃あたりまでとろとろした状態が維持されますのでテンパーリングが素人でもそこそこに可能なのですが比熱の問題なのかよくわかりませんが温度変化に対する流動性が低下が大きすぎる印象でした(たぶんもともと融解した時点での流動性が低すぎるのだと思いますが?)。悠長にテーパーリングなどやってる暇もなく、実際グレーズした際の温度は?です。電子レンジでの溶解は、油断しているととんでもないことになることがあるのでやはりBain-marieが安全で確実だと思います。

Peach Bavarian Charlotte Cakeを作る ; ピーチババロアケーキ : 桃のコンポートジュースを用いてババロアとクリームチーズムースを作成、シャルロットケーキに閉じ込めてみた。

ピーチババロアケーキ

ピーチババロアケーキを作る。

桃のコンポートを用いてピーチムース/ピーチババロアの2層仕立てのケーキを作ってみました。下地のスポンジケーキはビスキュイ(Bisucuit )=レディーフィンガー(lady finger)スポンジケーキを使用しました。ババロア(Bavarois)はカスタードクリームとフルーツカード作成の際の基本手技を組み合わせたような調理法で作成しますので、この2種類の卵黄クリーム作成法をマスターしていれば容易に作ることができます。ムースの上にババロアをのせると非常に口当たりがよくなります。こんな感じのシャルロットケーキもいかがなものでしょうか?

Ingredients : 材料と配合組成

生クリーム(純乳脂40;スジャータめいらく)、クリームチーズ(雪印メグミルク)、バター(含塩)(北海道四つ葉バター;四つ葉乳業)、パウダーゼラチン(クックゼラチン;森永製菓)ココアパウダー(カカオ70 ; 森永製菓)、白ワイン(Redwood)を使用しました。

For Cocoa Lady finger batter For φ18cm cake pan
Egg York5 ea.
Superfine Sugar45 gram
Egg White5 ea.
White Wine Vinegar3 gram
Superfine Sugar45 gram
Vanilla Oila few drops
Cake Flour82 gram
Cocoa Powder8 gram
For Peach Cream Cheese Mousse
Fresh Peach Puree128 gram (1 ea.)
Heavy cream100 gram
Cream Cheese100 gram
Superfine Sugar30 gram
Powder Gelatin8 gram
Cold water (for solvent)40 gram
For Peach Bavaroise
Egg Yolk3 ea.
Superfine Sugar20 gram
Peach compote Juice150 gram
Heavy Cream200 gram
Powder Gelatin10 gram
Peach Compote Juice (for solvent)50 gram
Vanilla Oila few drops
For Topping with Nappage
Powder gelatin3 gram
Peach Compote Juice(for solvent)30 gram
Fresh Peach Slice1 ea.
Notice: The cocoa powder used in this recipe is not “pure cocoa powder”, coming up with ” high-bitter cocoa” commercially. Peach compote juice is previously made ( →see the section “peach compote”.)

Instructions:調理法

最初にφ18cmのスプリングフォームパン(焼き型)の底面と側面にクッキングシートを貼り付けます。オーブンは190℃で予熱しておきます。

ビスキュイ=レディーフィンガーの作成
①卵黄5個、上白糖45グラムを耐熱大ボウルに入れ、フラワーホイッパーでBain-marrieで十分混合します。
②卵白5個、白ワインビネガー3グラムをメタルボウルに入れ電動ホイッパーでsoft peakまで泡立てします。
③上白糖を2回に分けて加えながらstiff peakまでメレンゲを仕上げます。
④泡立て卵黄とメレンゲをgo back methodに従い合わせていきます。この時バニラオイルを適量加えて卵臭さを中和しておきます。
⑤薄力粉82グラム、ココアパウダー8グラムを上から篩い、スパチュラで丁寧に混ぜます。
⑥絞り袋に生地を移し、クッキングシートの上にティラミス作成のとき同様にφ18cmの円と6 x 20 cm長方形x2個に生地を絞ります。表面にパウダーシュガーを2回篩います。
⑦オーブンで190℃ X 約10分焼成します。焼きあがったらクーリングラックの上で室温で冷まします。
⑧生地が冷めたら用意した焼き型に合うようにはさみで生地をトリミングします。今回は側面は三角形に整えてみました。焼き型にセットします。

ピーチババロアケーキ01
Preparing Lady-finger sponge cake ;
1. Place 5 egg yolks and 45 gram superfine sugar in a middle bowl and whisk until sugar is completely dissolved, over simmering water in a saucepan ( Bain-marie ).
2. Place 5 egg whites and 3 gram white wine vinegar in a metal bowl. Electric-whisk until soft peak form. Gradually adding 45 gram superfine sugar ( in 2 batches), continue electric-whisk until stiff peak form.
3. According to ” go back method”, gently fold the egg yolk mixture into the stiff peak meringue. Add a few drops of vanilla oil to decrease the smell of egg.
4. Sift 82 gram cake flour and 8 gram cacao powder over the egg yolk mixture. Fold gently so as not to deflate the meringue.
5. Transfer the batter into a pastry bag. Pipe 2 sets of the round (φ 18 cm) and the rectangular ( 6 x 18 cm ) with φ 1 cm width on a parchment paper. Sprinkle powder sugar appropriately over the dough twice.
6. Oven-bake at 180C for about 10 minutes until the surface gets golden brown.
7. Cool it on the cooling rack at room temperature.
8. Trim it as you like, but carefully re-size the round-shaped cake just fitting to the internal diameter of the sponge cake dome.

ピーチクリームチーズムースの作成>
粉ゼラチン8グラムを冷水40mLに溶かし一度固まらせます(ブルーム)。冷蔵庫に冷やしておきます・
②生クリーム100グラムに上白糖20グラムを加えます。電動ホイッパーを用いてstiff peakに仕上げます。
③クリームチーズ100グラムを4分割して加え、電動ホイッパーで完全に混ざるまで攪拌します。
④桃128グラム(1個分)をミキサーにかけてピューレにしたあと、生クリーム/クリーチーズに加え電動ホイッパーで均一になるまで混ぜます。
⑤ブルームしたゼラチンを温めて溶かし、ピーチクリームチーズに加えます。電動ホイッパーで均一になるまで混ぜます。これでムース完成です。
⑥レディーフィンガーをセットした焼き型に全部入れ、2段目の底蓋として円形のレディーフィンガースポンジを敷きます。

ピーチババロアケーキ02
Making Peach Cream Cheese Mousse :
1. Cast 8 gram powder gelatin into the 40 gram peach compote ( prepared beforehand) and bloom it in a small cup. Keep it cool in a fridge until use.
2. Pour 100 gram cold heavy cream in a metal bowl and add 20 gram superfine sugar. Electric-whisk until stiff peak form.
3. Dump 100 gram cream cheese into the whipped cream in 4 batches. Electric-whisk until no streak of the cream cheese can be seen.
4. Electric-blend 128 gram fresh peach ( 1 ea.) into puree. Pour it into the cream cheese mixture. Electric-whisk until well incorporated.
5. Heat the pre-bloomed gelatin until completely dissolved. Pour it into the cream cheese mixture and electric-whisk until smooth. The peach cream mousse has done.
6. Pour the mousse all into the sponge cake dome. Place the round-shaped cake over the mousse.

<ピーチババロアの作成>
①粉ゼラチン10グラムをピーチコンポート50グラムにブルームし、冷蔵庫に保存します。
②大型の耐熱ボウルに、卵黄3個に上白糖20クラムを入れフラワーホイッパーで混ぜます。
③ソースパンに生クリーム200グラム、ピーチコンポート150グラムを注ぎよく混ぜながら一度軽く沸騰させます。
④生クリーム/ピーチコンポート混合液を少しずつ大ボウルの攪拌した卵黄に注いでいき、テンパーリングします。
⑤直ちにソースパンに戻し、弱火にかけます。フラワーホイッパーで混ぜながら濃縮していきます(カスタードクリームを作る際と同様の手法)。
⑥粘調になりはじめたらスパチュラで混ぜながら、レモンカード作成( see→レモンカード)の際同様にスパチュラに指腹で1本線が引けるようになったところで加熱を止めます。
⑦大ボウルに戻し冷蔵庫に入れて焼き進みを止めます。人肌位の温度になったところで取り出します。

ピーチババロア
Making Peach Bavarois :
1. Cast 10 gram powder gelatin into the 50 gram peach compote and bloom it. Chill it in a fridge until use.
2. Place 3 egg yolks and 20 gram superfine sugar into a large bowl and whisk it well.
3. Pour 200 gram heavy cream and the 150 gram peach compote into a saucepan over medium heat to bring it to a boil.
4. Gradually pouring the hot cream into the egg mixture with stirring continuously to temper it.
5. Go back the mixture into the saucepan over medium-low heat. Whisk continuously until it gets slightly thicken. Stay cautious not to get burned by frequent boiling up.
6. Exchange the balloon whipper for a spatula and continue to concentrate. When the dough gets enough thicken to draw a line on the surface of the spatula with your finger, the dough has done.
7. Remove from heat and transfer the dough into the bowl. Chill it in a fridge to stop further baking.

⑧ブルームしたゼラチンを加温して溶解し、ピーチコンポートクリームに混ぜます。
⑩焼き型の上段にババロアを注ぎ、冷蔵庫で一晩冷やします。
⑪桃を適当にスライスし、最上段にトッピングします。
⑫粉ゼラチン3グラムをピーチコンポート30グラムに溶かしブルームさせます。加温して再度溶解します。これをナパージュとして上から適当に注ぎます。再度冷蔵庫で冷やして完成です。

ピーチババロアケーキ04
Assembling
⑧ Take the peach cream out from the fridge when its temperature gets as low as body temperature. Warm the bloomed gelatin until it gets resolved, mix well into the peach compote cream.
⑨ Pour it into the dome and chill it in a fridge overnight to confirm the bavarois gets firm.
⑩Slice a fresh peach and set on top. Pour nappage over it.

編集後記
ババロアをマスターするとスイーツ作りの幅が大きく広がります。私は魚料理も好きですが、カスタードやババロアなどの技術を磨いていくといつの間にかフレンチソースの作成も上達しているのに気が付きました。基本技術は非常によく似ていますのでポアレも並行してチャレンジしするのも面白いかもしれませんね。

Mango-Apple Puree Ice cream Parfait を作る-Part2

ガトーインビジブル

ガトーインビシブル (Gateau Invisible) を焼く。

中層に挟むスポンジケーキとしてガトーインビジブルをベースにスポンジケーキ風にアレンジしたものを使用します。ガトーインビシブルは、非常に薄くスライスしたリンゴと非常に少ない生地を層状に積み重ねることで生地と薄層リンゴが一体化して断面ではリンゴの存在を目視できないという特徴がありますが、これをパフェ用のスポンジケーキとして使えるようにアレンジします。

Ingredients: 材料と配合組成

自宅のオーブンに入る最大ボリュームの焼型を牛乳パックを2つ組み合わせて作成します。サイズは33cm x 7cm x 7cmの体積を持ちます。使用するリンゴはアップルコンポートの余りの王林(greeen apple)です。小麦粉の組成は、薄力粉:強力粉 = 90 : 50の傾斜配合としています(今回味付けにダークラムは使用していません)。リンゴのスライスを厚めにすることとバッターの小麦粉の量を増量することでパフェに必要なスポンジケーキの食感とビジュアル面ではっきりとしたリンゴの層のコントラスト、リンゴの歯ごたえを付加します。この意味ではinvisible → visibleにしていますのでapple sponge cakeに戻した形になります。

Gateau Invisible arranged as apple cakeFor 33 x 7 x 7 cm*3 rectangular pan
Egg Yolk (M)4 ea.
Superfine Sugar50 gram
Butter (melted)40 gram
Whole Milk200 gram
Egg Whites (M)4 ea.
White Wine Vinegar3 gram
Superfine Sugar30 gram
Vanilla Oila few drops
Bread Flour50 gram
Cake Flour90 gram
baking Powder1 pack (3.5 gram)
salt 1 gram
Apple (sliced)1.5 to 2 ea.
Dark Rum (*optionally)15 gram
Baking Trick170℃ x 55〜60 minutes
Gateau Invisible arranged for parfait : Procedure to making batter is followed by classic “separation forming method”.

Instructions: 調理法

まず、1L牛乳パックを2個合わせて、周囲を2回アルミホイルで覆います。クッキングシートで、33 x 11.5 x 6.8 cmサイズの内側に入れる紙型を作成します。両方をセットしてカスタムの角形の焼型の完成です。オーブンを170℃に予熱します。

<1>生地(バッター)の作成

①全卵4個分を卵黄と卵白に分けます。卵白は使用する時まで冷蔵庫で保管しておきます。大型の耐熱ボウルに、卵黄4個と上白糖50グラムを入れBain-marieで上白糖を溶かします。
②加熱をやめ、ホイッパーでリボンステージ(卵黄が蒼白となりクリーミーになる)まで混ぜます。この時ボリュームは約3倍ぐらいに膨らんでいます。
③250mlの計量カップに牛乳200グラムとバター40グラムを入れ、湯煎でバターを完全に溶かします。
④この間に、リンゴの皮を剥き半分にカットして芯をスプーンで抜きます。リンゴを約5mm厚に細切りにします。

ガトーインビシブル
Preparing for batter : ① Separate egg yolks from egg whites. Place 4 egg yolks and 50 gram superfine sugar in a large heat-durable bowl. Dissolve sugar over simmering water in a saucepan (Bain-marie). ② Remove from heat. Whisk until it gets pale and triple-voluminous as ribbon stage. ③ Pour 200 gram whole milk in a 250 mL measuring cup and put 40 gram butter into it. Then dissolve the butter in a hot water to make milk butter. ④ Meanwhile, peer an apple to cut into a half size. Remove core and slice it into about 5mm width.

⑤ミルクバターが40℃くらいまで冷めたら、卵黄クリームと混ぜます。十分に乳化したらそのまましばらく置いておきます。
⑥卵白4個と白ワインビネガー3グラムをメタルボウルに入れ、電動ホイッパーを用いて低速で泡だてを開始します。
soft peakに到達したら、上白糖を30グラム加えてさらに電動ホイッパーで高速泡立てを再開します。firm peakに到達したら泡立てを中止します。
⑧最初に1/4量位のメレンゲを卵黄クリームに投入し、馴染むまでスパチュラで丁寧に混ぜていきます。その後残ったメレンゲ を全て投入し気泡をできるだけ失わない様にフォールドしていきます。この時バニラオイルを数滴混ぜて香りを調整します。
⑨小麦粉( 薄力粉90グラム+強力粉50グラム)を篩い、気泡をできるだけ失わない様に丁寧にホールドします。
⑩スライスしたリンゴを全部投入し、リンゴを十分にバッターに絡めます。

ガトーインビシブル2
Mixing with Meringue : ⑤ The milk butter dropping low around 40C in temperature, combine it with the egg yolk mixture to whisk evenly until well incorporated. Leave it aside until use. ⑥ Place 4 egg whites and 3 gram white wine vinegar into a metal bowl. Electric-whisk at low speed until the soft peal form. ⑦ Add 30 gram superfine sugar and continue electric-whisking at high speed until it gets into the firm peak form. ⑧ Dump 1/4 volume of the meringue into the egg yolk mixture and fold it gently until well incorporated. Put all of the leftover of the meringue with a few drops of vanilla oil into it to fold it gently so as not to deflate as possible. .⑨ Sieve the flour (50 gram bread four and 90 gram cake flour) over it and combine with down to up fold from center to margin. ⑩ Put all the sliced apples into the batter and soak them well.

<2>焼成とカット

①用意したカスタムの焼型に、バッターに使ったリンゴを敷いていきます。箸でリンゴを摘んで、均等に重層して敷いていきます。最後に残ったバッターを全部上から注ぎます。
②天板に乗せて、170℃で60分前後オーブン調理します。なかなか中心まで熱が伝わりにくいですので時々確認が必要です。
③取り出して、外側の牛乳パックの焼型から外し室温で十分に冷まします。
④その後、冷蔵庫で一晩寝かしておきます。
⑤冷蔵庫から取り出し上下ひっくり返して置き、φ6cmのセルクルでうち抜きます。側面には綺麗にリンゴが層状に積み重なって見えます。
⑥グラスに入れて、ホイップクリームを乗せて試作品を作成します。
 試食して、歯応えや口どけのイメージ、ホイップクリームとの相性を確認します。
 濃厚さがありますが、リンゴの風味でくどさが相殺されていました。アイスクリームを上にのせても十分耐えうる範囲の甘さと判断しました。

Oven-baking : ① Place the thin-sliced apples well soaked in the prepared rectangular pan. Overlay them evenly and flatly using chopsticks until exhausted. Finally pour the remaining batter over the apple layer. ② Place on a baking tray and oven-bake at 170C for about 60 minutes until the batter gets golden brown in color and well cooked. ③ Take out from the oven and remove the outer mold. Let it cool on a cooling rack at room temperature. ④ Then chill it in a fridge overnight attached with the paper mold. ⑤ Flip upside down and punch out the φ6 cm column using a cercle. The linear line of the sliced apple is clearly shown. ⑥ Set in a glass and pour the whipped cream on top as sample to taste.

ガトーイインビジブルは、使用する小麦粉のタンパク濃度や量、使用するリンゴの種類や量、スライス厚により仕上がりが、様々なパターンとなり自由度の非常に高いケーキです。バッターの量が少なくなるほどリンゴの風味が強くなり保湿量も上がります。抹茶パウダーやココアパウダーを加えて色調や風味をアレンジすることもできます。マイオリジナルを作成しやすいケーキだと思います。

Sponge Cakeを作る (その7); キャロットケーキを作る。: キャロットケーキに使用するオイルの量はかなり多いですのでクリームチーズを使用せずヘルシーなケーキになるように工夫してみました。かなり膨らみの悪いケーキですから、ベーキングパウダー/ベーキングソーダの両方を膨張剤として使用します。ちょっぴり大人味を意識して、フロスティングに削りダークチョコレートを使用してアクセントを加えてみました。

キャロットケーキ

キャロットケーキ:Carrot Cake

キャロットケーキは、英国では伝統的なヘルシーフードといわれ、刻みニンジン、クルミ、シナモン、ナツメグ、ブラウンシュガーを用いた独特の風味と食感のあるスポンジケーキです。クルミの代わりにレトルトのむき甘栗を使用し、少し優しい口あたりに焼き上げてみました。

配合組成は以下の通りです。やや苦みのあるむき甘栗をミキサーで少しラフに粉砕してパウダー状にして使用、口あたりの優しさを意識してブラウンシュガーを上白糖に、ナツメグを省略しました。ニンジンはピーラーで削ぎ、包丁で刻みました。これで少し噛み応えのあるテクスチャーをだしてみました。クリームチーズの代わりにクレームシャンティイを使用しニンジンの風味を消さないように削りダークチョコレートで少し苦みを調整し、若干大人味を足してみました。ダークチョコレートはいつものガーナチョコレート、今回植物油は使用量が多いので、 ヘルシーリセッタ (日清)を使用しました。

IngredientsAmount for φ 18cm cake pan
Cake Flour140 gram
Bread Flour140 gram
Powdered Superfine Sugar320 gram
Ground Chestnuts160 gram
Ground Cinnamon3 gram
Salt2.5 gram
Baking Powder3 gram
Baking Soda (bicarbonate)3 gram
Whole Egg (L)4 ea.
Vegetable Oil300 gram
Grated Carrots250 gram
For Frosting
Heavy Cream (40% fat)200 gram
Powdered Superfine Sugar15 gram
Grated Dark Chocolate20 gram
Baking Trick180C x 30 minutes + 170C x 50 minutes
Carrot Cake with Dark Chocolate Frosting

Instructions: 調理法

①焼型(ケーキパン)にクッキングシートを貼ります。今回は側面はチーズケーキを焼くとき同様に10cmの高さにクッキングシートを貼ります。オーブンを180℃に予熱しておきます。
②市販のレトルト天津むき甘栗を160グラム、ミキサーでラフに粉砕しました(粗びき粉くらいの感じ)。ニンジンをセラミックピーラーでそぎ落とし、包丁で小さく刻みます。すりおろしてしまうと水分過剰となりますので、換水値に注意が必要です。刻みは細切りでも角でもどちらでもいいと思いますが、甘栗粉砕粉の食感と混ざり具合を考えて細切りしたあと5mm角に刻みました。
薄力粉140グラム、強力粉140グラム、シナモンパウダー3グラム、塩2.5グラム、ベーキングパウダー3グラム、重曹3グラムを大きなボウルに篩います。甘栗の粉砕粉を加えてフォークで均一になるように十分に混ぜます。
④耐熱ボウルに全卵4個に粉砕上白糖320グラムを混ぜ、Bain-marieで砂糖が完全に解けるまでホイッパーで混ぜます。
⑤電動ホイッパーでリボンステージ(大体ボリュームが3倍で垂らすと表面に形が残るくらいの混ざり具合)まで仕上げます(中速で8分位)。
⑥食物油(ヘルシーリセッタ)300グラムを注ぎさらに低速で十分なじむまで混ぜます。

Making a carrot batter: ①lLine parchment paper on bottom and side of a cake pan. Preheat the oven up to 180C. ②Dump 160 gram Tianjin sweet roasted chestnuts into a mixing cup to crush it into the powdered. Grate 250 gram carrot with a ceramic peeler and dice into small pieces. ③Sift 140 gram cake flour, 140gram bread flour, 3 gram cinnamon powder, 2.5 gram salt, 3 gram baking powder, and 3 gram baking soda into large bowl to mix well with a fork. ④Place 4 whole eggs and 320 gram powdered sugar into a heat durable large bowl and whisk over the double boiler (Bain-Marie) until the sugar is completely melted. ⑤Remove from heat and electric-whisk until it gets pale and triple volume (ribbon stage). ⑥Pour 300 gram vegetable oil and continue to electric-whisk at low speed until it gets well incorporated.

⑦刻みニンジン250グラムを投入してホイッパーで均一になるように混ぜます。
⑧粉類を篩い、スパチュラでホールドしていきます。常法に従い、中心から外側に向かい下方から上方に回転させながら混ぜます(center to margin, down to up fold)。篩に残った少しおきめの塊は最後に混ぜます。
⑨焼型(18 cm springform pan)に注ぎます。なかなか熱が通りにくいですので忍耐を要します。4層分を一回で焼き上げますので火入れは工夫が必要です(4つの焼き型があるなら4等分して焼けば1個30分位で焼成できると思います)。まず180℃で約30分焼成します。この辺で表面の焼きが先行しますので、アルミホイルでふたをして170℃に落としてあとはじっくり焼きます。大体プラス50分位かかってやっとバウンスバックと串による確認で焼きあがったことが確認できました。
ケーキスライサーで4層に分割します。こういう時は便利な道具です。
クレームシャンティイ(作成法はその4を参考にしてください)をこしらえて、スポンジ→ホイップクリーム→ スポンジ→ホイップクリーム の順に積んでいき、最後にピーラーを用いて削りチョコを振りかけます。

⑦Dump grated carrots all into the batter and whisk evenly with a balloon whipper. ⑧Sieve dry ingredients and fold it gently with a spatula following the center to margin, and down to up fold. ⑨Pour the batter into the cake pan and oven-bake at 180C for about 30 minutes and successively bake at 170C for about 50 minutes covered on top with aluminum foil. ⑩Cool it at room temperature and cut horizontally with a cake slicer into 4 parts. Assemble the cake with Creme Chantilly and grate dark chocolate on top.

仕上がりはこんな感じです。甘栗なかなかいい食感出てました。

Sponge Cakeを作る; (その6):世界最速で焼けるスポンジケーキの王道”ヴィクトリアスポンジケーキ”を焼いてみました。

Victoria Sponge Cake

ヴィクトリアスポンジケーキ : Victoria Sponge Cakeを作る。

略号をE: Whole Egg(全卵)、F: Flour(小麦粉)、S: Sugar(グラニュー糖)、B: Butter(バター)としたとき、E : F : S : B = 1 : 1 : 1: 1に組成配合したものの代表格がヴィクトリアスポンジケーキ(Classic Victoria Sandwich: ビクトリアサンドウイッチとも呼ぶそうです)です。この組成はパウンドケーキの組成と比率は同じ(パウンドケーキは材料をイギリスの通貨1ポンド(£)に相当する分量に統一して作るのがオリジナルレシピです)。小麦の重量を卵黄の重量と等量もしくはそれ以上使用しますのでこれぞ真のスポンジケーキと言わんばかりの重量感とナイフを入れたときにずっしりとくる独特な感じ、かむと感じるheavyなテクスチャーのすべてを備えています。バターの使用量が多いですので全量バターで仕上げるとビスケットの食感に幅寄せしていきますので私は、冷蔵庫で保管することも考慮して20-40%位をファットスプレッド(ネオソフト)で置換することが多いです。オリジナルレシピでは2つのスポンジの間にイチゴジャムを挟み、表面にスライスしたイチゴを載せてパウダーシュガーを振りかけたシンプルなレシピとなっています(これがヴィクトリア女王がお召し上がりなったレシピだそうです)。恐らく世界最速で焼き上げることのできる美味しいスポンジケーキです。

配合組成は以下のようになります。イチゴジャムは自作したほうが断然おいしいケーキになると思いますが、今回は生地のおいしさを邪魔しないようにあっさり目に植物性ホイップクリームを挟んでみました。GS: Granulated Sugar : グラニュー糖。牛乳はバッターが硬すぎるので少しだけ緩めるために使用しますのでほんの少量です(加えなくてもいいですがたいてい加えないとうまくfoldできません)。全卵は予定では180 gram前後になるはずでしたが実測値は164 gramでした。

IngredientsAmount for φ18 cm cake pan
Salted Butter120 gram
Fat Spread60 gram
Powdered Superfine Sugar (or GS)135 gram (GS 180 gram)
Whole egg (L)3 ea (164 gram)
Cake Flour170 gram
Baking Powder7 gram
Salt3 gram
Vanilla Oila few drops
Whole Milkless than 10 gram
Baking Trick170C x 45 minutes
For Filling
Whipped topping200 gram
Powdered Superfine Sugar 15 gram
Fresh Strawberry1 pack
Confectioners’ sugar for frosting

Instruction: レシピ
まず、φ18 cmの焼型(springform pan)にクッキングペーパーを貼ります。次にオーブンを170度まで予熱します。
1. バター120グラム(常温)、マーガリン60グラムと粉砕上白糖135グラムをボウルに入れホイッパーでクリーム状になるまでしっかり混ぜます。
2. 全卵3個を溶いて、混ぜます。この作業はタフですので電動ホイッパー使用します。たぶんこの時点ではいくらかき混ぜても少し卵とバターが分離しています。
3. 薄力粉ベーキングパウダーを篩います。3/1くらいずつ篩いながら丁寧にスパチュラでホールドしていきます。
4. バッターが硬いようであれば牛乳を少し加え、スパチュラで混ぜるのが困難でない程度に緩めます。
5. 粉類がバッターに十分なじんで安定した乳化状態に到達したところで焼型に注ぎます。少し爪楊枝でかき混ぜて大きめの泡を除いておきます。
6.オーブンで170℃ x 45分焼成します。途中表面の焼け具合が進みすぎるようならアルミフォイルで表面をカバーします。
7.焼き終わったらクーリングラックの上で室温でケーキを冷まします。冷めたらモールドを解除してクッキングペーパーを剥がします。半分にカットして2層のスポンジケーキにします。イチゴも縦に3分割します。真ん中のスライスになる平板状のイチゴはトッピングに使用します。
8.ボウルを冷凍庫に入れて10分以上十分に冷却します。ボウルを取り出してよく冷えたホイップクリーム200グラムに粉砕上白糖15グラムを加え、電動ホイッパーでstiff peakまで泡立てします。
9.スポンジケーキ1層目にホイップクリームを塗り、スライスしたイチゴを並べます。もう一度ホイップクリームを塗って向かい合うようにスライスしたイチゴを並べます。ホイップクリームを塗って2層目のスポンジケーキを載せます。
10.フロスティング用のパウダーシュガー(粉砕グラニュー糖にコーンスターチを重量比で3%加えたもの)を篩い、平板状のイチゴを並べます。もう一度パウダーシュガーを篩い完成です。

Making a Victoria Sponge Cake: In advance, grease a cake pan to line parchment paper, and preheat the oven up to 170C. ① Place 120 gram salted butter and 60 gram margarine, 135 gram powdered superfine sugar in a large bowl. Whisk until it gets creamy. ② Beat 3 whole eggs and pour them into the butter cream and whisk until well incorporated as possible. That’s a tough work so that you had better to use an electric whipper. ③Shift 170 gram cake flour and 7 gram baking powder, 3 gram salt over the egg-butter mixture in 3 batches, and fold it. If the batter is too hard, loosen it by adding some milk. ④Pour the batter into the cake pan and oven-bake at 170C for about 45 minutes. ⑤ Let it cool at room temperature. After unmoulding to rip the parchment paper, divide the cake horizontally in 2 parts. ⑥ Paste the whipped cream on the surface of the one of the divided cakes. Place sliced strawberries over it. Again, set the whipped cream and place strawberry-pieces over it. ⑦ Place another layered cake on top. Sprinkle confectioner’s sugar and place strawberry-plates on top. Chill it in a fridge until served.

ケーキカットするとザクッとした重量感を感じます。断面はきれいな黄色で質感があります。シンプルですが上品で美しいケーキだと思います。ミルクティーやウインナーコーヒーを添えてティータイムにいかがでしょうか。

Sponge Cakeを作る (その5-2); シフォンケーキを極める part 2-2 : 5種類のシフォンケーキサンプル( A→E )から、生地の断面構造と食感を比較し、最適な小麦粉/砂糖の配合比( high ratio)と卵黄/卵白混合比を決定、シフォンケーキのオリジナルレシピを完結する。

modified chiffon cake

基本的なシフォンケーキの配合比を変更してオリジナルなシフォンケーキを作成しにいきました。食感や卵黄の風味などそれぞれ好みがあると思いますので少しライトで引き締まった食感のシフォンケーキに仕上げてみました。

まずは前回の色々な卵黄:卵白の配合比から美味しそうなスポンジに発展しそうなベースの生地をチョイスします。略号はEY: 卵黄、EW: 卵白、PSS: 粉砕上白糖、CT: クリームオブターター、VO: バニラオイル、BP: ベーキングパウダーです。作成方法はシフォンケーキ標準レシピの常法に従って5種類のサンプル生地( A→E )をφ 6 cmのラメキンで焼成しました。

A→Eまでの断面を観察します。A: EY: EW =0:5、B: EY: EW =1:5、 C: EY: EW =2:5、D: EY: EW =3:5、E: EY: EW =4:5と左から右へ並んでいます。D,Eは焼き時間を延長する必要があり、Eは構造強度が強く質感があるためクッキングペーパーの隙間を破って膨張したため裂けました。

Cut-surface of sample cakes with the various combination of egg yolks per egg whites : Figures correspond sample A to E from left to right. Sample A is a typical angel food cake. The ratio egg yolks per egg whites is; 0 in A, 1/5 in B, 2/5 in C, 3/5 in D, 4/5 in E. Unfortunately, sample E ruptured during oven-bake.

5種類のサンプルからサンプルCをチョイスしました。触感がエンゼルフードケーキに近く、焼成した卵黄の食感も程よい感じでBPによる縦方向の引き延ばしでさらに口当たりの改善が得られそうな印象でした。下図の中央左はエンゼルフードケーキ、中央右は基本のシフォンケーキ(BP使用)の断面、右図がサンプルCの断面です。BPによりCの断面がどのように変化するか大まかな方向は予測できそうです。

The sample C was selected for its modification. I assumed that the sample C will change its texture into that close to a typical chiffon cake plus an angel food cake with using baking powder.

サンプルCをベースにオリジナルなシフォンケーキの配合を考えました。卵黄:卵白の比率は2:5前後をチョイスします。これを軸に水分/小麦粉比(バッターの粘度とベーキングパウダーの効果に影響)、砂糖(上白糖)/小麦粉(>1(0.75)のhigh ratioに収める)に計算をして微調整します。水分比のカギになる牛乳(換水値90)の量は卵黄混合液に小麦粉を少量ずつ混合し、バッターの粘度(consistency)を見ながら少しずつ補充した結果、total 40 ml加えました(換水率からの理論値は10 ml相当です)。薄力粉の総使用量は102 g となりました。配合組成を下記に示します。今回作成したバッターをChiffon C、前回作成した基本のシフォンケーキをChiffon N, エンゼルフードケーキをChiffon Zとし、教科書的なシフォンケーキをchiffon Tとしています。C, N, Zはφ18cmのケーキパン用の用量(実測値で単位はグラム(g))で、Tは小麦粉を100とした時の配合比で示します。略号はPSS: Powdered Superfine Sugar, GS: Granulated Sugar, CT: Cream of Tartar, VO: Vegetable Oil, BP: Baking Powderです。

IngredientsChiffon C Chiffon N Chiffon Z Chiffon T
Cake Flour10213060100
PSS (GS)841046081 (108)
Whole Egg143
Egg Yolk52 (2.8 ea)74 (4 ea)
Egg White226 (7 ea)173 (5 ea)210 (5 ea)
CT31.331
VO405240
Water (Milk)(40)(104)80(88)
Salt2.02.512
BP454
Vanilla Oila few dropsa few dropsa few drops
Almond Essencea few drops
Baking Trick170C x 40 minutes 170C x 55 minutes 170C x 35 minutes
Blending Ratio of the Chiffon Cake C : Chiffon C → modified version (new), Chiffon N → conventional chiffon cake previously made, Chiffon Z → basic angel food cake, Chiffon T → basic chiffon cake (from text book)

入手した卵による誤差が微妙に出てきますので実測値だと同じ2個でも変わってきますので卵黄重量は、このシリーズの初期値である18.5 g/1個で統一してカウントしなおしています。これにあまりこだわりすぎるとお菓子作りが嫌になってきますのでほどほどの落とし所にしました。卵黄/卵白重量比では23%位になっていますので少し軽い食感に仕上がります。濃厚クリームやチョコレートグレーズなどで少しこってりしたフロスティングをしてもしつこく感じることはなさそうです。

Instruction: 調理法

シフォンケーキ作りの常法に準じますので端折ります。
①卵黄3個分、粉砕上白糖42グラム、牛乳40グラム、キャノラオイル40グラムを耐熱ボウルに入れ、Bain-marieで混合します。
②薄力粉102グラム、ベーキングパウダー4グラムを少しずつ篩い、ホイッパーで混ぜて安定した乳化状態にします。少し粘調ですがグルテンが析出してくるほどではないです。
③7個分の卵白にクリームオブターター3グラムを加えて、電動ホイッパーで泡立てします。粉砕上白糖を加えstiff peakのメレンゲに仕上げます、
④go back methodにしたがい両者を混合し、均一な生地になったら焼型に注ぎます。多すぎるようならラメキンに注いでカップケーキのように一緒に焼きます。ラメキンは170C x 20分、チューブパンの方は170C x 40分焼きます。
⑤ラメキンのケーキは熱いうちにパレットナイフで側面をぐるっと切り離してお皿にひっくり返して抜き出します。これで焼縮みは最小限になります。チューブパンはひっくり返してマグカップの上で冷まします。

Modified chiffon batter: Place 3 egg yolks, 42 gram powdered superfine sugar, 40 gram oil, and 40 gram milk into a middle bowl over Bain-marie and mix well. Shift 102 gram cake flour and 2 gram salt, 4 gram baking powder over the egg yolk mixture,and whisk until well incorporated. Place 7 egg whites and 3 gram cream of tartar in a metal bowl, and electric-whisk until soft peak form. Gradually adding the powdered superfine sugar, electric-whisk until stiff peak form. According to the go back method, combine the egg yolk mixture and the stiff peak meringue to fold it gently until it gets smooth and even. Pour the batter into the tube pan and oven-bake at 170C for 40 minutes.

膨張率から考えて、チューブパンに注ぐバッターの量は高さが2/3位に届くくらいが丁度いい感じでした。ラメキンで焼いたものは形、触感もなかなか行ける感じでしたので相性のいいフロスティングを特別に何か考えたいところです。

シフォンケーキのほうは、スポンジの味に影響しないようにパイナップルとフォンダンでトッピングしようと試みましたがちょっとした油断でフォンダンがオレンジリキュールカラメルになってしまいましたが、結果オーライということで完成です。

Final version of the modified chiffon cake

チョコレート苦手派流オリジナルシフォンケーキの配合組成は、
薄力粉 102グラム、粉砕上白糖 84グラム、卵黄 3個、卵白 7個、クリームオブターター 3グラム、植物オイル 40グラム、牛乳 40グラム、塩 2グラム、ベーキングパウダー 4グラム、バニラオイル 少々
オーブンタイム 170℃ 40分
となりました。

Sponge Cakeを作る(その5-1) ; シフォンケーキを極める part2-1: 教科書的なエンゼルフードケーキを基準に、小麦粉、砂糖、卵黄、卵白の比率を少しずつ変化させ教科書的なclassic chiffon cakeの組成になるまでA→Eの5段階のバッター(batter)サンプルを作成しオリジナルシフォンケーキの配合を決定するための予備試験を行った。

クラシックシフォンケーキ

基本のシフォンケーキ:Classic Chiffon Cake

前回シフォンケーキの原点であるエンゼルフードケーキを作成しゼロの「基準」を確認しました。今回はこの基準点から卵黄重量と保水量を少しずつ変化させながら変化の方向軸を確認に行きます。油脂にバターを加えるとテクスチャーの変化が大きすぎて方向性が分からなくなりますので油脂はオイル(キャノラオイル)に統一し、乳化に問題のない比率で加え、卵黄分量に比例させて増量します。その分保湿に必要な水分を牛乳で加えます。保水量は標準的なシフォンケーキの重量比から使用する卵黄重量に比例換算して計算しました。また今回も構造の弾性/歯ごたえに影響するベーキングパウダーは使しません。鉛直方向への膨張はメレンゲの起泡性と水蒸気圧のみを利用します。

①エンゼルケーキの立ち位置(座標)を”0″と決めましたので、個数換算(卵黄(個)/卵白(個))を基準とする水平軸(仮にX軸上に採ると)基本的なスポンジケーキの位置Sは、S=1.0(1/1)にあることになります。位置の変数xは、0<x<1にある条件でxはシフォンケーキの集合の要素を満たします。x=0.8(4/5)の位置がシフォンケーキの標準混合比となります。ちなみにx>1がカステラスポンジケーキの要素となります。まずは、エンゼルケーキ(x=0)の対極に相当するx=0.8の基本のシフォンケーキ(Classic Chiffon Cake)をΦ18 cmのシフォンケーキパンでこしらえます(ベーキンングパウダーは使用、ただし油脂はキャノラオイルに限定)。この風味と食感をよく覚えておきます。これが食感の方向ベクトルを推定するヒントになるはずです。

卵黄/卵白配合比と小麦と砂糖の配合比(ratio high / low)から分類したスポンジケーキの分類

教科書的な基本のシフォンケーキの配合組成は以下の通りです。Encyclopedia of Food and health 2016: P 582より引用させていただきました。これより上白糖を用いる場合の比率はシフォンケーキで81、エンジェルフードケーキで161と概算しました。

Chiffon Cake
(% Flour Weight)
Angel food Cake
(% Flour Weight)
Flour100100
Granulated Sugar108215
Egg White277
Whole Egg143
Cream of Tartar14
Oil40
Water 80
Salt21
Baking Powder4
教科書的なシフォンケーキとエンゼルフードケーキの配合組成:Encyclopedia of Food and health 2016: P 582より引用

ここから分量をΦ18 cmサイズのシフォンケーキ専用の焼型に合わせて計算、微調整していきます。ただし卵黄/卵白=4/5(個数比)で作成しますので少し分量修正が必要になります。卵白の換水値を80、牛乳の換水値90とし、卵白重量は1個34.6グラムでしたので卵黄より1個分多い卵白は約28グラムの水分とカウントしました。下記に今回作成した標準タイプのシフォンケーキの配合組成表を示します。
ただし以下のHigh Ratio ケーキの基本公式を使用します(焼型容積率75%で概算)。

① 卵の総用量(グラム)+ ミルクの総用量(グラム)>グラニュー糖の総用量

今回は卵黄74グラム+卵白173グラム=247グラム(実測値)、換算値は74 + (173-34.6)=212.4(=212グラム)の全卵総重量としました。全卵重量/小麦粉重量=1.63 (オリジナル1.43より14%誤差あり)

ミルク用量は換算値で104グラムなので トータル316グラム、上白糖総用量uはその3/4以下の分量なので237グラム未満と計算できる。(*多いほど仕上がったケーキの保湿が良好となり、長持ちする。)
換算値は、u=104グラムであるからこの条件を十分満たしている。

②小麦粉の総用量<砂糖の総用量 上白糖では小麦粉値との重量比0.75以上
104/130 = 0.81 > 0.75 これも条件をみたしている。

以上の約束定理を考慮した上で作成した成分配合表は以下のようになりました。これもある意味では結果的にオリジナルな配合組成になります。比較的きれいな数値になっているのではと思います。

IngredientsFor Φ18 cm tube pan
Egg Yolk4 e.a (74 gram)
Powdered Superfine Sugar52 gram
Vegetable Oil (canola)52 gram
Whole Milk104 gram
Cake Flour130 gram
Salt2 gram
Baking Powder5 gram
Egg White5 e.a.(173 gram)
Cream of Tartar2 gram
Powdered Superfine Sugar52 gram
Baking Trick170C x 55 minutes
Basic Chiffon Cake Recipe

Instructions: これはほぼエンジェルケーキと同じですので端折ります。
①卵黄、砂糖、オイル、牛乳をBain-Marieで混合します。
②小麦粉、塩、ベーキングパウダーを篩い、①と混合し安定した乳化状態にします。
③卵白にクリームオブターターを加えて、電動ホイッパーで泡立てし砂糖を加えながらメレンゲを仕上げます。
④メレンゲと卵黄混合液を混ぜてバッターを完成し、焼型に注ぎ170℃で55分オーブンで調理します。

Making chiffon batter: Place 4 egg yolk, 52 gram sugar, 52 gram oil, and 104 gram milk into a middle bowl over Bain-marie and mix well. Shift 130 gram cake flour and 2 gram salt, 5 gram baking powder over the egg yolk mixture,and whisk until well incorporated. Place 5 egg whites and 2 gram cream of tartar in a metal bowl, and electric-whisk until soft peak form. Gradually adding sugar, electric-whisk until stiff peak form. According to the go back method, combine the egg yolk mixture and the stiff peak meringue to fold it gently until it gets smooth and even. Pour the batter into the tube pan and oven-bake at 170C for 55 minutes.

オーブンで170度で55分焼いていく際のシフォンケーキが膨らむ過程を示します。焼き始めて5分ほどで表面が膨らみはじめ、10分で明らかに上に凸、20分で焼型の側面の高さを超えてしまったので表面にヒビが見え始め、25分で膨張はピークに達し接触面を失った生地の頂部は割れました(少しバッターが多すぎたことが原因でしょうね、容積率は55~60%でいい印象)。いずれにせよ表面はカットして平らにしますので結果的にはこのことはどうでもいいことにはなります(少しははみ出ないとカット出来ない)。

Thermal expansion of the batter: In 5 minutes baking at 170C, the batter begins to show its elevation. In 10 minutes, the apparent lentiform elevation appears. In 20 minutes, the elevation of the batter gets over the side wall of the tube pan to cause disruption of the surface. In 25 minutes, it reaches the peak elevation with marked crack.

オーブンから取り出した後は、焼型をひっくり返しマグカップなどの上に乗せて室温で冷ませます。上部の焼型からはみ出した部分をカットし表面を平らにします。保管する場合は水分が蒸発しないようにラップで包んで冷蔵庫に入れておきます。今回はスポンジの味にあまり影響がでないように植物性ホイップクリームであっさりとフロスティングしました。標準の4:5混合のシフォンケーキ、流石に公式化されて公表されているだけあって一部の隙もない食感の完成度です。ここから卵黄の混合比を変えてオリジナルな配合黄金比を探りにいきます。

クラシックシフォンケーキ完成

②次に、ミニチュア版のカップケーキサイズのサンプルA〜E(ベーキングパウダーなし)で卵黄の含量による食感の変化を探りにいきます。サンプルはA: zero(卵黄混合0)、B: 卵黄:卵白-1:5相当(個数比)、C: 卵黄:卵白-2:5相当 、D: 卵黄:卵白-3:5相当 、E: 卵黄:卵白-4:5相当 (標準のシフォンケーキ配合)、 として設定しすべてφ6cmのラメキンで作成しました。焼き時間は170℃x20分を目安としました。配合組成表は以下の通りです。略号はEY: 卵黄、OI:オイル、MI:ミルク、EW:卵白、CT:クリームオブターター、SA:塩、PS: 粉砕上白糖、CF:薄力粉、TE:使用した卵黄混合物、TM: 使用したメレンゲー薄力粉混合物、TV: total volume、BT: Baking Time(焼き時間)です。卵黄混合物は今回卵黄5個で81グラムでしたので卵黄1 個20グラムを使用する際の用量に修正しました。これにより数学的に美しく目視でわかりやすい配合に組み上げました。最終比率(卵黄/卵白パーセント)は、A=0%, B=11.7%, C=23.5%, D=35.2%, E=47.0%となります。基本のシフォンケーキに使用されている卵黄:卵白の重量比は、1:2~3であることがわかります。

IngredientsABCDETV
EY048121640/81(5)
PS0246820
OI03691230
MI0510152050
TE014284256140
EW3434343434170(5)
CT0.60.60.60.60.63
SA0.20.20.20.20.21.0
PS121212121260
CF121212121260
TM5959595959354
BT2020202530
Blending Ratio of the Sample Batter : Abbreviations are as follows; EY: egg yolk, OI: oil, MI: milk, EW: eg white, CT: cream of tartar, SA; salt, PS: powdered superfine sugar, CF: cake flour, TE:; total egg yolk mixture, TM: total meringue flour mixture, TV: total volume, BT: baking time

だいぶ長編記事で複雑化してきたのでここで一旦切ります。次回この結果と、結果からチョイスした配合でΦ18cm大のオリジナルシフォンケーキを焼いてみます。

Sponge Cakeを作る (その4); シフォンケーキを極める part 1: シフォンケーキの基準点となるエンゼルフードケーキを一般公開されているBoston Cooking Schoolの標準レシピに忠実に作成、high ratio cakeの神髄に迫ってみました。

エンジェルフードケーキ

 エンゼルフードケーキ: Classic Angel Food Cake

Swiss Roll用のスポンジケーキの黄金比を前回捻出しましたが、この比率は非常にシフォンケーキの組成に酷似しています。これは単においしい生地はシフォンケーキであると肯定したにすぎません。そこでシフォンケーキの原点であるクラシックエンゼルフードケーキ(卵黄混合なし、油脂混合なし、ベーキングパウダー混合なし)から少しずつ卵黄/油脂を混合していきオリジナルなシフォンケーキの混合比とHigh ratio cake(砂糖の添加量が小麦粉に比べて相当多いケーキ)に関して極めてみたいと思います。

まず、ゼロに値するもの(卵黄なし)をまず作成してその食感を確かめる必要がありますが、これには①エンゼルフードケーキ(油脂、ベーキングパウダー混合なし)と②ホワイトスポンンジケーキ(バター(混合比 小麦の重量の約1/2)、ベーキングパウダー混合)があります。いずれも基本レシピは周知されていますが、前者はhigh ratio cake(1:2)になります。断面は両方ともピュアーな白色調ですが前者は高級食パンをさらにモフモフにした食感(今回確認)で、後者は柔らかめのスポンジケーキのような食感(以前に確認)になります。油脂(バター)を加えることでの食感の方向性は前回のSwiss roll同様で重量感と保湿感を加える方向にベクトルが向きます。油脂の方向軸は見当がつきますが、砂糖を増量(high ratio)することに対する方向軸は現時点では確認できていません。

Ingredients: 基本のエンゼルフードケーキの配合組成は以下の通りです。原本(Boston Cooking School Cook Book, 1986) では、11個の卵白とグラニュー糖を用いていますが、グラニュー糖よりも卵白に親和性のより高い上白糖(superfine sugar)をさらにミキサーで粉砕したpowdered superfine sugarで統一しました。さらに10 inch(φ25 cm)相当からφ18 cmに減量換算し、卵白重量(実測値)にあわせて焼き時間も微調整しました。 φ18 cm のシフォンケーキ専用の焼き型を使用します。

IngredientsAmount for φ18 cm tube pan (chiffon cake pan)
Egg white (L)5 ea (210 gram)
Cream of Tartar3 gram
Salt1 gram
Powdered superfine sugar60 gram
Vanilla oila few drops
Almond extracta few drops
Cake flower60 gram
Powdered superfine sugar60 gram
Baking time170℃ x 35 minutes
Classic Angel Food Cake : The recipe is adjusted to a φ18 cm cake pan.

Instructions :
①上白糖120グラムをミキサーで砂粒状に粉砕します(8分位)。これでコーンスターチを含まないパウダーシュガーを作成します。
②薄力粉60グラムと作成したパウダーシュガー60グラムを混ぜて、これもミキサーにかけます。薄力粉を粉砕して細粒化/均質化することでメレンゲとの混合時に気泡消失を最小限に抑えるためです。

エンジェルフードケーキ01
The pictures show powdered superfine sugar and refined flour mixture.
Put superfine sugar into a blender to be crushed into fine powder. Mix the shifted cake flour and the powdered superfine sugar in a cup. Again, put the flour mixture into a blender to be fine powder so as not to deflate the meringue on folding.

③卵黄と卵白を分けます。(余った卵黄はカスタードクリームにしました。今回はsuper gigantic roll を作成してみました)。卵黄は冷蔵庫に保管しますが、今回は卵白は室温でしばらく放置しておきます。
④卵白210グラム(5個分)をメタルボウルに入れ、クリームオブターターを3グラム加えて電動ホイッパーで低速攪拌します。
③3分位でsoft peakに到達しますので30グラムの砂糖を加えてfirm peakまで高速回転で持っていきます。ここでバニラオイル/アーモンドエクストラクトで香りを加えておきます。この辺でオーブンを170℃に予熱しておきます。
④残りの30グラムの砂糖を加えてstiff peakまで持っていきます(ボウルをひっくり返しても動かなければstiff peakに到達していると判断します)。常温から泡立てしたメレンゲの仕上がりは色調も食感もマシュマロののような感じで低温から泡立てしたメレンゲとは仕上がりの感じは異なりますが、小麦粉を抱き込むだけならこちらのほうがかなり扱いやすいです。最後に粉を抱きかかえる工程で終了する場合はこの方法で泡立てしています。

エンジェルフードケーキ02
The pictures show “cream of tartar” (left), beginning of electric mixture (center), and soft peak form (right).
Separate egg yolks from egg whites, and leave egg whites at room temperature for a while. Place 5(210gram) egg whites and 3gram cream of Tartar in a metal bowl. Electric-whisk the egg whites. In a few minutes, it comes to a soft peak form. Adding a half volume of the powdered superfine sugar, continue to whisk at high speed until a firm peak form.
エンジェルフードケーキ03
The pictures show flavors (vanilla oil/ almond extract) (left), firm peak form (left-center), stiff peak form (center-right) and sieving flour mixture (right).
Then, put a few drops of flavor( vanilla oil and almond extract) into the meringue, and continue whisking until it gets to a stiff peak form. I think it somewhat differs from the stiff peak of the beaten with chilled egg whites. Sieve the flour mixture in 2 batches over the meringue.

⑤②で調整した粉類を1/2量ずつメレンゲに篩い、スパチュラで抱き込みます。混ぜにくいですので基本に忠実に中央から辺縁にむけて丁寧に混合(center to margin fold)を行い粉類の痕跡がなくなるまで混ぜます。
⑥シフォンケーキ用のセンターチューブのある焼き型に注ぎます。注いだ後、竹串で底にたまった空気や大きな気泡を追い出しておきます。ケーキパンの側面についた生地はできる限りキッチンペーパーで拭き取ります。焼くと生地は焼き型の側面を這いあってきますのでそれを邪魔しないためです。
⑦170℃で35分オーブン焼きします。焼き始めて15分くらいで表面がgolden brownに到達しますので表面割れ防止もかねてこの時上からアルミフォイルでカバーします。

エンジェルフードケーキ04
Going by the down to up fold method, fold the flour into the meringue until no grainy. Pour the batter into the cake pan and remove air bubbles with a skewer. Wipe out the protruding part of the batter. Oven-bake at 170C for about 35 minutes. If the surface of the batter comes to dark early, cover the top with aluminum foil.

⑧さかさまにしてマグカップの上に置いて室温で冷やします。重力を利用して縮みを最小限に抑えます。
⑨パレットナイフで辺縁を切り離して筒と一緒にケーキを抜きます。底面と中央を切り離してケーキをひっくり返して外します。これで完成です。

エンジェルフードケーキ05
Cool the cake upside down with the center tube on a mug. Then, release the margin with a palette knife and pick up the center tube. Release the bottom and center fall. Flip down the mold and drop the cake.
エンジェルフードケーキ06
The angel food cake is done.

このまま置いておくと私が一人で始末することになりますのでクレームシャンティでフロスティングしてキーウィとラズベリーをのせました。さすがにラズベリーは渋いので今回は10%ゼラチンと30%上白糖でナパージュを作成し2回塗りしました。
断面も食感もまるで”天使の羽”のような感じに思えました。これを最初に考え出した人、天才だ。

エンジェルフードケーキ07
The cut surface of the angel food cake looks fluffy and super-white like an angel’s wing.

<クレームシャンティイを簡単に速攻で作成する方法>

クレームシャンティイを作成する際、氷水で冷やしながらとほとんどのauthorが指南していますが氷も結構必要ですし煩雑です。これを簡素化する方法を私は用いています。
①使用する耐熱ボウルの内面を軽く水に浸し、軽く水切りします。
②電動ホイッパーのパドルも軽く水に浸し耐熱ボウルに入れてこのまま冷凍庫に入れます。
③10分ほどして取り出すと表面は完全に氷結して曇っています。
④パドルをセットしてすぐにボウルに冷蔵庫にある生クリームを注ぎます。
⑤粉砕した上白糖(powdered superfine sugar)を分量入れて、即座に低速攪拌開始します。
⑥3分間でstiff peakのホイップクリームができます。
(注意)耐熱ボウルの曇りが消失するまでに素早く作業は完了してくださいね。

編集後記
Swiss Rollの生地の極みが、単にシフォンケーキの生地にすり替えただけのような形で収束することにはなかなか受け入れがたい所が残ります。もう一つの選択肢となりそうなタンパク濃度11%位の”これぞスポンジケーキ”という配合組成からまたいつか改良を加えてみたいと考えています。

Sponge Cakeを作る (その3); スイスロール(Swiss Roll)を極める part 2: 前回決定したスイスロールの生地のタンパク濃度(6~7%)をベースに充填油脂として植物油の代わりにバターを加えることで口当たりを改善、重厚感あるオリジナルな配合黄金比を決定

改良スイスロール

スイスロール(Swiss Roll)を極める part 2

前回、見栄えと巻きやすさから求めた小麦のタンパク濃度は、6~7%と暫定しましたので、sample C (タンパク濃度6.2%)をベースにして口どけと重厚さを改善しに行きました。

したがって、全卵E: Egg)、上白糖S: Superfine sugar)、小麦粉F: Flour)、油脂O: Oil (vegetable oil))、保湿用の水分L: liquid)と略号設定すると

基本骨格の黄金比(重量比(gram ratio))は、E : S : F : O: L = 16 : 6 : 6 : 3: 3

と暫定しました。使用する卵の重量の1/3~1/4量の砂糖(上白糖ですので注意)と小麦粉(厳密には粉類全体)を等量混合し、さらに粉の重量の1/2量の植物油と希釈液(保湿確保のための液体;牛乳、水、生クリームなど)を加えたものが美味しいロールケーキに値する生地ということで、この辺のさじ加減がセンスとして身に着けばレシピの束縛から解放され素人でも自由度の高いオリジナル作成に踏み出せるのではないかと思いました。

タンパク濃度6.2Pロール
<前回作成した小麦粉のタンパク濃度を6.2%に調整して作成したSwiss Roll>
Previously baked Swiss roll, the sponge cake of that was adjusted it’s protein concentration into 6.2 percent,

さらに小麦粉のタンパク濃度を変更することで歯ごたえ(テクスチャー)を調整することができタンパク濃度が高いほど歯ごたえがよく、低いほどふわふわ感がでることもわかりましたが、断面の見栄えのよいスポンジ構造が得られるタンパク濃度は6~7%にあるようです。見栄えもよく歯ごたえも重厚さもあるものを作り出すにはこのタンパク濃度から改良していくのが近道と考えます。前回の断面像を見てどう改善すれば重厚な味が得られるかを考えるとき、このハチの巣状の気泡構造の中に重厚感を押し出す要素を詰め込むのが最も簡単な解決手段と考えられます。何を詰めるかですが、重量保持ができて濃厚さが保てるもの、おあつらえ向きなのがバターです。おまけに冷蔵庫に入れると少し硬度が上がるはずですので歯ごたえも改善することが予想されます。

そこで今回オイルをバターに置換してみました。置換量は小麦粉の重量(粉類の全重量ではありません)と等量にしてみました。バターを加えることで脂質の薄層が形成されスポンジ内部の水分蒸発が抑制されるはずですので加えるのであれば粉全体ではなく、使用する小麦粉の重量と等量混合で十分に効果を引き出したいと考えます。ただし、パウンドケーキのように全卵と等量置換すると明らかに焼き上がりの生地は硬化しますのでせいぜい全卵の半分重量が最大用量と考えました。卵の重量実測値から計算の簡略化をかねて、 小麦粉のタンパク濃度を7%に引き上げました。使用する薄力粉の重量=バターの重量(実質上の100%等量置換)となるように置換しますと、結果的にはオイル+保水分画(=粉の重量)の75%をバターで置換するきれいな置換率となりました。実際の焼く前の生地の流動性から評価すると保湿水は加える必要なく”0″でもよかったかな?という印象でした。

Ingredients: 材料と配合組成

材料配合組成は下記のとおりです。上記のごとく、小麦タンパク濃度は7%に調整しました。卵はegg yolk 4個で77グラム、egg white 4個で136グラム、 total 213グラムでしたので砂糖は80グラム, 粉類(薄力粉60グラム、コーンスターチ20グラム), 牛乳20グラム、バター60グラム、塩2グラムで配合しました。 バターの略号をB(Butter)として、計算上最終的な配合比 は、E : S : F : B: L = 10.5 : 4 : 4 : 3: 1となりました。

MaterialsAmount: for 26 x 26 x 2cm square pan
Egg Yolk4 ea
Superfine Sugar60 gram
Whole Milk for dilution liquid20 gram
Salt2 gram
Cake Flour60 gram
Cornstarch20 gram
Salted butter60 gram
Egg White4 ea
White Wine Vinegar3 gram
Superfine Sugar20 gram
Baking time180C x 10minutes
Original Swiss Roll Batter Recipe: When it’s assumed that Egg Yolk →E, Sugar →S, Flour →F, , Butter →B, Liquid →L,, E : S : F : B: L equals to 10.5 : 4 : 4 : 3: 1.

生地の作成法はは前回同様で標準的な別立て法に基づき作成しましたので詳細は割愛します。ただし今回はバターが加わりますので、バターは湯煎で完全に液化し、メレンゲと卵黄混合液を混合した最終段階で加え、丁寧に混合しました。その後オーブンで180℃x 10分焼き上げました。

タンパク濃度7.0%の生地
<タンパク濃度7.0%に調節し、バターを60グラム加えた生地のオーブン調理前後>
The batter, adjusted it’s protein-percentage into 7.0 with adding 60gram butter, was oven-baked at 180C for 10minutes until the color of the surface got golden brown.

完成した作品は、蜂巣構造がタンパク11%の時に見られるのと同じくらいにしまっていましたが保湿感も弾力性も6.2%のロールケーキを上回っていました。いわゆる”モフモフ”でかつ重量感がずっしりとあります。しかしながら、スポンジ骨格を支えるタンパク濃度が7%ですと壁面の重量が不釣り合いに増加したことにより円筒状に巻いても最終的には楕円形の底面に至る様でした。巻く際には充填するフルーツを減らしてクリームを少し薄層にしたほうが綺麗に巻けるものと思われました。最終バージョンのロールケーキ において焼き色、重量感、保湿感の全てが改善され、濃厚さが加わっていました。十分満足のいく改善が得られたものと自己評価しました。下図写真左はタンパク濃度6.2%、右は7.0%およびバターに油脂を置換して食感の改善を試みた作品です。蜂巣構造内にバターが充填されたのがはっきりと見て取れると思います。

ロールケーキ の断面比較
スイスロールの拡大断面比較:(左)タンパク濃度6.2% (右)タンパク濃度7% + バター
蜂巣構造の中にバターが入りこんで重量感と保湿が改善されているのが見てとれます。
Cut surface of the Swiss roll: The left picture shows the cut surface of the roll containing 6.2 percent protein in its sponge cake, and the right does that of 7.0 percent protein and additional butter. Butter displaced the pneumatic space, and that attained moist and rich bulky taste.

食べごろサイズにカットしてみると、色調も変化(黄色調から白色調に)、表面の焼き上がりも食欲をそそる褐色調となっています。

ロールケーキ 断面比較2
スポンジが黄色調の方が6.2%、白色調の方が’7%+バター
Converting the previous recipe(6.2%) into the present(7.0% plus butter), the color of cut surface turned yellowish to pale and the color of surface got more brownish that stimulates the appetite.
最終バージョン
一番黄色調なのがタンパク濃度11.2%, 中間が6.2%, 褐色調なのが7.0%+バター
3 types of the rolls’re shown. The most yellowish corresponds to 11.2 percent protein concentration, and the most brownish does to 7.0% plus butter.

以上より、チョコレート苦手派流オリジナル定理としてのロールケーキ生地の材料配合黄金比を、
E : S : F : B: L = 10~11 : 4 : 4 : 3: 1
と決めました。

簡単には、卵(Mサイズ)4個、薄力粉60グラム、コーンスターチ20グラム、上白糖80グラム、バター60グラム(含塩)、牛乳20グラム、塩2グラムが基本骨格となります。