慢性頭痛を抱える人は全国で約4000万人いるといわれ、このうち約1000万人が片頭痛であると言われています。日常生活に支障を及ぼさない程度のものであれば放置してもよろしかと思われますが、頭痛により日常生活や仕事に支障をきたす場合は適切な服薬により生活の質(QOL)を改善されるのがよろしいかと考えます。
頭痛外来では、
①片頭痛・筋収縮性頭痛の確定診断と治療
②それ以外の頭痛の原因病変の特定及び治療(手術や血管インターベンション治療が必要な病態が判明した場合は対応可能な高次医療機関への紹介)を行います。
*原因特定に必要な画像診断検査
⚫️頸動脈エコー検査 : 当院で行います。
⚫️頭部MRI/MRA検査 : 当院と画像連携しております玉島中央病院、倉敷第一病院で撮影
⚫️造影MRIもしくはCTA検査: 小生が出張外来時(木曜)に玉島中央病院で撮影
*造影MRI, CTA検査については外注検査の説明のページを参照ください。
(1)頭痛外来受診の前に注意していただくこと
下記の3種類の特徴的な頭痛に該当する症状がある場合は生命にかかわる脳血管事故の切迫状態を強く疑う所見と考えられますのでまずこの3つのいずれかに該当しないか確認ください。

この3パターンの頭痛は、急性くも膜下出血(脳動脈瘤切迫破裂を含む)、脳内出血、動脈乖離、脳静脈血栓症に関連する頭痛を強く疑う所見です。悠長に一般外来で順番待ちできる状態ではありませんのでこのような症状を自覚したら、かかりつけ医をスキップして直ちに脳外科救急外来を受診ください。当地区近傍では、倉敷中央病院、平成病院、水島中央病院、川崎医科大学附属病院等がくも膜下出血等の血管アクシデントに対応する高次医療機関となっております。
(2)頭痛外来で行うこと
①一次性頭痛と二次性頭痛の鑑別
単に頭痛を繰り返すことが問題である一次性頭痛と、脳腫瘍や髄膜炎、慢性硬膜下血腫などの病態が元となって引き起こされている二次性頭痛の鑑別を行います。おおまかには頭痛患者専用の問診と身体所見により鑑別を行いますが、一次性頭痛の場合であっても過去に画像検査による頭部スクリーニングを一度も受けていない場合は頭部MRI検査で動脈瘤や血管奇形(脳動静脈奇形など)が潜在していないことを確認することをお勧め致します。二次性頭痛が強く疑われる場合は主因となる病態の精査/加療を進めていくことになります。
②一次性頭痛の鑑別
一次性頭痛の主たる病態は、片頭痛と筋収縮性頭痛(筋緊張型頭痛)です。この2つには特徴的な症状がありますので症状の聞き取りで鑑別可能ですが、両者が混在することがあります。おおまかに、片頭痛と筋緊張型頭痛のイメージと特徴を以下に挙げておきます。
(a)片頭痛のイメージと特徴

(b)筋緊張型頭痛のイメージと特徴

③一次性頭痛に対する投薬治療
⚫️初回(または当院初診)の薬物投与について
アセトアミノフェン、NSAID(ロキソプロフェンetc)と制吐剤(ドンペリドンetx)を基本処方として様子を見ていただきます。激痛で難渋している場合、トリプタン製剤(エレトリプタンetc)を処方致します。トリプタン製剤の服用のタイミングについては当院Xまたはインスタグラムを参照ください。
⚫️再診の薬物投与について
⭕️初回の投薬が有効で発作頻度が低い場合、初回処方の薬を頓服として処方継続させていただきます。
⭕️初回の薬の有効性が低く、月に3回以上難渋する頭痛を経験される方には、片頭痛専用の予防薬の継続服用をお勧め致します。基本的には、カルシウム拮抗剤またはβ遮断剤(妊娠中も服用継続可能)のいずれかを服用いただく形となりますが、三叉神経領域の放散痛を伴う場合などは三環系抗うつ薬(アミノトリプチン)etcを上乗せ処方する場合があります。帯状疱疹後の場合は、ミロガバリンetcを使用する場合もありますがtry & errorを繰り返して病態に合わせて苦痛が軽減されますよう合わせていきます。
2025.12.10 uploaded.