運動療法を行う方へのアドバイス

①体脂肪を1kg減らすためには?

体脂肪1kgは7,000kcalのエネルギーに相当します。1ヶ月で2kgの体脂肪量を減量するための1日の消費カロリーを計算すると7,000(kcal) x 2(kg) / 30(日) = 約467 (kcal/日)となります。これはご飯でいうと茶碗に軽く3杯分(1杯=米飯110g)となります。

②体脂肪を減少させるために適切な運動とは?

アスリートの行うような無酸素運動中心(短距離走や瞬発力を主体とする運動(重量挙げなど))の激しい運動は、グリコ-ゲンをエネルギー供給源として筋肉が使用しますので体脂肪を減らすには向いていません。週3日以上、自覚的には“ややきついが何とか継続できそう”程度の強度の有酸素運動を1回(30分から60分)続けてください。消費エネルギーは最初は300kcal前後から始め、徐々に運動量を増加させていってください。運動耐容能(Mets)の強度が中等度のスポーツを選択してください。

運動耐用量 (Mets)酸素消費量 ( ml O2/min/kg)スポーツ種目例
1.5 ~ 2  4  ~  7歩行(1.6 km/h)
2   ~ 3  7  ~ 11平地歩行(3.2km/h)、平地サイクリング(8.0km/h)、ゴルフ(電動カート乗車)
 3   ~ 4 11  ~ 14平地歩行(4.8km/h)、サイクリング(9.7lm/h)バレーボール(6人制、非競技)、ゴルフ、バドミントン(ダブルス)、乗馬(速歩)、アーチェリー
 4   ~ 5 14  ~ 18平地歩行(5.6km/h)、サイクリング(12.9ml/h)、バドミントン(シングル)、テニス(ダブルス)、卓球、ダンス、多くの柔軟体操
 5   ~ 6 18  ~ 21平地歩行(6.4km/h)、サイクリング(16.1ml/h)
 6   ~ 7 21  ~ 25平地歩行(8.0km/h)、サイクリング(17.7ml/h)、バドミントン(競技)、テニス(シングルス)、フォークダンス、スキーツアー(4.0km/h)
 7   ~ 8 25  ~ 28ジョギング(8.0km/h)、サイクリング(19.3ml/h)、バスケットボール、登山
 8   ~ 9 28  ~ 32ジョギング(8.9km/h)、サイクリング(20.9ml/h)、スキーツアー(6.4km/h)、バスケットボール(激しい)
10 32ジョギング(9.6km/h)、スキーツアー(8.0km/h)、
運動耐容量(Mets)と相当するスポーツ例

④高血圧症合併患者様の運動に関して

高血圧が適切に降圧剤でコントロールされるまで運動療法は控えてください。高血圧が持続していると頭蓋内の血管緊張度も高血圧対応側にシフトしています。高度な高血圧(160 mmHg以上の収縮期血圧等)が数ヶ月持続していた場合、降圧剤による血圧下降が急激であれば安定するまでの数週間ふらつき感、ボーっとした感じの不快感(時に起立性低血圧)を自覚します。これは全身の細動脈拡張による血圧低下に頭部の血管反射が対応しきれていないためです。このような時期での運動療法はさらに自覚症状を増悪し、脳血管障害の引き金ともなりえます。もちろん血圧コントロール不良の状態での運動療法は禁忌です。

⑤糖尿病患者様の運動に関して

1日1万歩(=300 kcal/日)以上を目標にできるだけ日常生活の中で歩行の要素を取り入れてください。血糖降下剤の服用が開始されますと、空腹時に運動をされた場合低血糖発作を生じることがあります。低血糖発作を経験すると運動することに益々嫌悪を感じるようになります。運動は食後1時間ほどして始められれば、食後の血糖上昇防止と低血糖発作の回避の一石二鳥のメリットがあります。

⑥アルコール摂取と運動

  アルコール摂取後は交感神経反射の鈍麻が生じていますので低血糖や心停止が生じやすくなっています。飲酒後の運動(特に水泳)は控えてくださいちなみに節度のあるアルコール摂取量は、純アルコール換算で1日平均20g程度です

主な酒類アルコール度数(%)アルコール量(g)
ビール中ビン1本(500ml      5      20
日本酒1合(180ml)     15      22
ウイスキー・ブランデーダブル(60ml)     43      20
焼酎1合(180ml)     25      36
ワイン1杯(120ml)     12      12
一般酒類のアルコール含有量に対応したアルコール換算値

2026.4.16. uploaded ©All rights reserved KWC.

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