当院肥満外来のコンセプトは、減量効果のエヴィデンスがある2型糖尿病治療薬を保険適応外(自由診療)で投薬することで、保険診療の範囲では実現不可能な減量を達成することにあります。
①肥満症とは
肥満症はとは、医学的に減量が必要な肥満のことで一つの「病気」として扱われます。肥満[BMIが25以上]で以下のような健康障害がある場合、あるいは内臓脂肪の蓄積によってそれらの健康障害が起こりやすい状態(内臓脂肪型肥満)である場合に肥満症と診断出されます。

肥満治療の目的は、
🟡体重を減らすことで、肥満に伴う健康障害を改善する、またはその発症を防ぐ
🟡寿命や健康寿命が、肥満によって損なわれることを防ぐ
🟡生活の質(QOL)を維持、向上させる
ことにあります。
[Key Word]
BMI: Body Mass Index : 肥満度の標準的スケールで、体重(kg)/(身長(m))2 で計算
基礎代謝:生きていくための必要最低限の代謝カロリー(40歳♂ 1500kcal, 40歳♀ 1200kcal)
1日の消費エネルギー:基礎代謝/0.7で計算
NAFLD(MASLD): 脂肪性肝疾患(いわゆる単純脂肪肝/脂肪肝炎)
健康寿命:健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間
②当院の減量補助の介入対象と達成目標
🟡BMI30を超える単純性肥満に対する積極的肥満離脱補助、特に運動療法で関節・運動器障害を併発しない安全域の体重誘導/日常スポーツ活動が可能となるゾーン体重への誘導
🟡BMI25以上で糖尿病を除く併存疾患(脂質異常症、高血圧症、痛風/高尿酸血症、(閉塞性)睡眠時無呼吸症候群((O)SAS)、肥満性低換気症候群(Pickwickian syndrome) など)がある減量が必須事項である方の減量補助
🟡単純性肥満による重力負荷で両膝、もしくは両股関節の変形、骨折、もしくは骨頭置換術を受けた整形外科患者の積極的肥満解除による疼痛除去及び重力負荷減免による人工骨頭/関節唇の保護
を達成することを目標とします。(既に1、2型糖尿病で健康保険を用いた治療を受けておられる方は対象から除外されます)。
実施に肥満からの離脱に使用する薬は、
●SGLT2阻害剤(経口薬)として、
①ダパグリフロジン(フォシーガ(R))
②エンパグリフロジン(ジャディアンス(R))
●GIP/GLP-1受容体作動薬(経口薬)として
③セマグルチド(リベルサス(R))
●GLP-1受容体作動薬(注射製剤)として
④デュラグルチド(トルリシティー(R))
●GIP/GLP-1受容体作動薬(注射薬)として
⑤チルゼパチド(マンジャロ(R))
⑥セマグルチド(ウゴービ(R))
となります。
処方開始時の体重やターゲット体重、ご本人の意向により内服療法を行うか、注射製剤を用いるか、選択肢が変わってきます。最初は内服→効果が頭打ちになったら皮下注製剤という選択肢が初期導入としては無難とは考えます。
See → 減量に処方する薬とその作用機序、副作用、および使用法について
*BMIが20以下の方には処方は行いませんのでご理解くださいますようお願いたします。